■トラック・バス用スタッドレスタイヤの履き方(使い方)は3種類に分けられる
毎年冬、北海道で開催されている横浜ゴムのプレス向けのスタッドレスタイヤ試乗会が今年も「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」で開催されました。
試乗会の前には、タイヤ勉強会が行われヨコハマタイヤの「スタッドレスタイヤの歴史」を中心に、現行製品である「iceGUARD 6」専用コンパウンド技術、トラック・バス用スタッドレスタイヤの紹介なども含まれていました。
普段、トラック・バスのステアリングを握ることがない人にとって、トラック・バス用タイヤは縁遠いものかもしれません。横浜ゴムによると、2018年のトラック・バス用タイヤの種類と需要構成において、じつにスタッドレスタイヤが46%を占め、オールシーズンタイヤが37%、サマータイヤは17%。
半数近くを占めるほど、日本のトラック・バス用タイヤ市場にとってスタッドレスタイヤは重要な商品になっています。
もちろん、北海道や東北地方を中心とした降雪地帯でのスタッドレスタイヤのニーズが高く、トラック・バス用タイヤの使い方(履き方)は3つに分けることができるそうです。
1つ目は、冬期のみスタッドレスタイヤに履き替えるという使い方で、主にバスの場合が多いそう。多くの乗用車と同じ使い方になります。2つ目は、スタッドレスタイヤの履きつぶしで、主にトラックでの主流の使い方。3つめは、セミトレーラーのヘッドなどがスタッドレスタイヤを1シーズンに2回装着するという使い方になります。
1つ目の冬期のみスタッドレスタイヤに交換するのは、乗用車と同じですから分かりやすいですが、2つめには補足が必要でしょう。
トラック・バス用スタッドレスタイヤの履きつぶしは、秋から冬の冬道において、タイヤパターンがしっかりとスタッドレスパターンが確保され、「サイプや横溝のエッジ、溝容積」による効果(新品状態)により、スタッドレスタイヤとしてオールシーズンタイヤ以上の雪上性能が発揮できるのがポイントです。
まだ雪が残る春から梅雨にかけては、パターンがスタッドレスからオールシーズンに変化(摩耗)。オールシーズンパターンは、50%摩耗時になるイメージです。オールシーズンとして梅雨時期のウェット性能に対応します。そして夏から秋までは、60~90%摩耗時になり、「きれいな4本溝リブパターンになり、ウェット、静粛性能」に対応します。
横浜ゴムのトラック・バス用スタッドレスタイヤは、履きつぶすまで、しっかりとシーズンの状況に応じて性能が発揮できるように設計されています。
(文/写真 塚田勝弘)