5代目・新型エスカレードがデビュー。より広く、先進技術満載で大幅に進化を果たす【新車】

■業界初を謳う「湾曲型OLEDディスプレイ」を搭載

アメリカを代表するフルサイズSUVの新型エスカレードがアメリカ本国で発表されました。5代目となる新型エスカレードは、最新技術の満載が目玉。

エクステリアデザインでは、キャデラックのアイコンである縦長の「デイタイムランニングライト」が目を惹きます。さらに、細身の「ホリゾンタルヘッドランプ」が新たに加わり、ワイド感と力強さ強調。

背が高く、垂直配置の「バーチカルリヤライト」も引き続き採用され、繊細なエッチング仕上げが施された深味のある3Dレイヤーデザインを追加。足まわりでは、22インチホイールが標準装備されます。

GM キャデラック エスカレード
新型エスカレードのフロントビュー

レイヤーデザインは、トリムエレメントやグリル表面にも追加されています。今回初めて、新グレードの「キャデラックスポーツトリム」が登場。ブラックメッシュグリルやブラックトリムが外観の特徴になっています。

業界初を謳う「湾曲型OLEDディスプレイ」、初採用の「AKG製オーディオシステム」、半自動運転の高速道路運転支援システム「スーパークルーズ」など、最先端技術により同セグメントを再定義すべく、その先進性をさらに高められたのが特徴です。

■リヤシートエンターテインメントを新搭載

自動車業界初の湾曲型OLEDディスプレイは、対角線の長さが38インチ超のディスプレイエリアを備え、解像度は4Kテレビの2倍を誇るそう。同技術により、鮮明な画像・完璧な黒が再現され、現在生産されている自動車用ディスプレイの中で最も豊富な色彩が提供されます。

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エスカレードの「湾曲型OLEDディスプレイ」

同システムには、3つのスクリーンが組み込まれています。ドライバーの左側は、7.2インチのタッチ操作パネル付きドライバーインフォメーションセンター、ステアリングの奥は対角14.2インチのクラスターディスプレイ、さらにドライバーの右側には、対角16.9インチのインフォテインメントスクリーンが搭載されています。OLEDは紙のように薄く、そのディスプレイを最適な状態で視認できるよう湾曲させています。

ほかにも先進装備が満載されていて、最新型の「拡張現実(AR)対応ナビゲーションシステム」(オプション)は、ストリートビューのライブ表示や目的地の方向を指示するディレクションオーバーレイ機能などが備えられています。

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新型エスカレードのインパネ

標準装備になる「サラウンドビジョン」は、4台の外部カメラで撮影した車両周辺の状況を、解像度2メガピクセルのバードアイビュー(マルチアラウンドモニター)で表示する機能。さらに、トレーラーのけん引を容易にする「トレーラリングインテグレーションパッケージ」(オプション)は、最大9種類のカメラビュー(リヤカメラガイドラインを含む)の表示が可能。

「リヤカメラミラー」(オプション)は、従来のリヤビューミラー画面にリヤカメラの映像を表示する機能になります。ほかにも、「ナイトビジョン」(オプション)も設定され、前方視界を改善するため赤外線を利用して夜間の歩行者や大型動物などを検知し、センタークラスターディスプレイに投影します。

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新型エスカレードのリヤシートエンターテインメント

エンターテインメント機能では新型「リヤシートエンターテインメント」が注目装備。12.6インチタッチ式ディスプレイを左右シートバックに備え、ナビゲーション機能のほか、HDMIおよびUSB入力を介してゲーム、音楽、ビデオを再生するストリーミング機能が備えられています。同画面には、アンドロイド搭載のスマホを映し出すこともできます。さらに、目的地のサジェスチョン機能では、後部座席の乗員からディスプレイを通じて前席のナビゲーション画面に推奨ルートの提案を送信し、ドライバーの返答を求めることができます。

■「ギデオンウィスパーベージュ」インテリアを初採用

一方のインテリアデザインでは、初めて内装に「ギデオンウィスパーベージュ」コンビネーショントリムが採用されています。

そのほかにも、ステンレス製スピーカーグリル、ドアトリムパネルの凝ったパイピング、さまざまな色を選択できるアンビエントライティングなどを搭載。なお、オリジナルのステッチやキルティングパターンを備えた独自のシートデザインに加え、8色ものカラーやトリムの選択により、さらに際立たせることができます。

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ホイールベースを延長し、キャビンを拡大

また、新しい車両構造と新たなシャシーにより居住空間を大幅に拡大させ、サードシートのレッグルーム(34.9インチ)は40%も大きくなり、3列目シート後方のラゲッジは68%拡大(標準サイズモデルの場合)。

キャビンの拡大は、ホイールベースの延長、車両全長を拡大したことに加え、新開発の独立リヤサスペンションの採用によるもの。これにより室内のフロアが低く抑えられ、居住空間を広げるだけでなく、2列目および3列目のシートにもより簡単にアクセスできるようになり、さらに3列目シートの乗員はより自然な姿勢で座ることができるようになったそうです。

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「AKG製オーディオシステム」を採用

サウンドシステムも充実していて、「AKG製オーディオシステム」によりプロ仕様のスタジオサウンドで圧倒的な音響体験を創出するとしています。有名ミュージシャンがレコーディングスタジオやライブ会場で使用するマイクやヘッドフォンで世界的に知られるAKGのオーディオテクノロジーを、キャデラックが業界では初めてクルマのオーディオシステムに導入。

エスカレードにオプションで装備できる「AKGスタジオリファレンスシステム」は、28チャンネル仕様のアンプを3基と36のスピーカーで構成し、驚くほど鮮明で没入感のあるサウンドエクスペリエンスを提供します。標準装備の「AKGスタジオシステム」には、14チャンネルのアンプを備えた大容量密閉型サブウーファー付きの19のスピーカーシステムが搭載されています。

■6.2L V8エンジンと3.0Lディーゼルターボエンジンを設定

足まわりでは、新採用の独立式リヤサスペンションと磁気ライドコントロール、エアライドアダプティブサスペンション、および電子式リミテッドスリップディファレンシャル(eLSD)によるドライビングダイナミクスの強化がポイント。

今回初めてドライバーアシスタンステクノロジーの「スーパークルーズ」が装備され、ライダー(LiDAR)地図データ、高精度GPS、最新のドライバーアテンションシステム、さらにカメラおよびレーダーセンサーのネットワークを使い、米国およびカナダにおける20万マイル(32.2万km)以上の互換性のあるハイウェイでハンズフリーでの走行を可能にします。

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新型エスカレードのリヤビュー

パワートレーンは、新開発の6.2L V8エンジンを標準搭載。可変バルブタイミング、オートストップ/スタート機能、ダイナミックフューエルマネジメントテクノロジーが搭載され、420馬力(313kW)のパフォーマンスと効率性を両立させたとしています。

新たな選択肢として3.0Lディーゼルターボエンジンも用意されます。同エンジンは、トレーラーのけん引能力を発揮できるように設計されていて、パワーバンド全域で強大なトルクを発生。最大トルクは623Nmに達し、6.2L V8ガソリンエンジンと同等レベルだそう。

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エスカレードのキャビン

組み合わされるトランスミッションは、エレクトロニックシフトコントロールを備えた10速AT。また、全モデルにトレーラーパッケージが標準装備されています。オプションのトレーラリングインテグレーションパッケージを装備すると、より強化されたトレーラー体験を提供するとしています。

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新型エスカレードの外観

新型エスカレードは、2020年後半から北米で販売が開始され、その他のエリアではその後順次スタート。製造はテキサス州アーリントンの工場で行われます。同モデルの日本導入時期は、追って発表されます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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