【自動車用語辞典:スペックと分類「ナンバープレート」】登録場所の他いろいろな情報が分かる

■文字や数字、色の意味を解説

●ナンバープレートを見て、何が分かる?

クルマのナンバープレート、正式には自動車登録番号標(軽自動車は車両番号標)といいますが、さまざまな色のプレートがあり、そこには地域名やひらがな、数字が表示されています。

多くの人は表示されている文字や数字の意味を理解していないと思います。ナンバープレートの表示内容について、解説していきます。

●ナンバープレートの役割

ナンバープレートの付いてないクルマは、当然公道で走行できません。ナンバープレートが装着されているということは、クルマが自動車検査を受けて保安基準に適合していること、自動車登録ファイルに登録されていることを示しています。

同時に、クルマに必要な以下の行政手続きが済んでいることも証明しています。

・クルマの保管場所が確保されている、車庫証明の取得

・義務付けられている強制保険と自賠責保険の加入

・自動車の重量に応じて支払う税金、自動車重量税の納付

以下に、識別のために表示されているナンバープレートの色、地域名、分類番号、ひらがな、指定番号について解説します。

ナンバープレートの表示例
ナンバープレートの表示例

●ナンバープレートの色

ナンバープレートの色で、普通自動車と軽自動車、自家用車と事業用車の区別など車種の識別を行います。

白地に緑の文字が自家用の普通乗用自動車、緑地に白文字が事業用の普通乗用自動車、黄色地に黒文字が乗用の軽自動車、黒字に黄色文字が事業用の軽自動車です。

●地域名

クルマの登録と検査を行う全国の管轄運輸支局・自動車検査場の地域名を表しています。最近になって、地域振興や観光振興の目的で図柄入りの「ご当地ナンバー」と呼ばれる41の地域名の表示が始まりました。

●分類番号

自動車の種別および用途による分類を表す3桁の数字です。

・普通貨物自動車: 1、10~19、100~199

・普通乗合自動車: 2、20~29、200~299

(乗員定員11人以上、29人以下の人の運送に使われる車両総重量8トン未満のバス)

・普通乗用自動車: 3、30~39、300~399

・小型貨物自動車: 4、40~49、400~499  および : 6、60~69、600~699

・小型乗用自動車: 5、50~59、500~599  および : 7、70~79、700~799

・特殊用途用自動車: 8、80~89、800~899

・建設機械に該当する大型特殊自動車: 0、00~09、000~099

小型乗用自動車は、車両のサイズが長さ4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下で、エンジンの排気量が660ccを超え、2000cc以下のクルマです。普通乗用自動車と小型乗用自動車の違いは、上記の小型乗用自動車の基準を1項目でも上回ると、普通乗用自動車に分類されます。

●ひらがな

普通自動車と事業用自動車、自家用などの区別のための1文字による表示です。

・自家用車:さすせそ たち なにぬねの はひふへほ まみむめも やゆ らりるれろ

・事業用車:あいうえ かきくけ を

・レンタカー:わ れ

お、し、へ、ん の4字は使われません。

「お」は、「あ」と混同しやすいため、「し」は死を、「へ」は屁を連想させるため、「ん」は読みづらいためです。

●指定番号

1から9999までの4桁の識別番号です。

1999年から希望ナンバー制が導入され、自分の好みの番号が自由に選べるようになりました。しかし、人気のある数字については応募者が多いので抽選になります。


普段クルマのナンバープレートを見て気にするのは、他府県の地域名ぐらいではないでしょうか。

それぞれの表示の意味を理解すると、なるほどと思うことがあるかもしれません。

(Mr.ソラン)

この記事の著者

Mr. ソラン 近影

Mr. ソラン

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までをやさしく解説することをモットーに執筆中。もともとはエンジン屋で、失敗や挫折を繰り返しながら、さまざまなエンジンの開発にチャレンジしてきました。
EVや燃料電池の開発が加速する一方で、内燃機関の熱効率はどこまで上げられるのか、まだまだ頑張れるはず、と考えて日々精進しています。夢は、好きな車で、大好きなワンコと一緒に、日本中の世界遺産を見て回ることです。
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