フォーミュラE横浜招致をめざして。 車椅子の元GPライダー青木拓磨選手「ジャガー I-PACE eTROPHY」に参戦!

車椅子の元GPライダー・青木拓磨選手

■フォーミュラEはラジコン操作に似ている!?

●諦めない青木拓磨選手がジャガー I-PACEでフォーミュラEサポートレースへシリーズ参戦!

2月6日、横浜市内にて車椅子の元GPライダー青木拓磨選手がEVによるレース「ジャガー I-PACE eTROPHY」にシリーズ参戦する事を発表しました。

車椅子の元GPライダー・青木拓磨選手
2020年2月6日、横浜にて元GPライダー・青木拓磨選手がEVによるレース「ジャガー I-PACE eTROPHY」にシリーズ参戦する事を発表しました。写真は前列に青木拓磨選手、後列左からジャガー・ランドローバージャパン代表取締役社長マグナス・ハンスン氏、「TEAM YOKOHAMA CHALLENGE」チーム代表 津山覚氏、チームコーディネーター 渡辺洋三氏。

このレースはジャガー初のEVであるI-PACE(アイ ペイス)をベースとしたレーシングカーのワンメイクレースで、今年2020年で6シーズン目を迎えたEVによるFIAのフォーミュラ選手権、フォーミュラEのサポートレースとして世界を転戦します。

青木拓磨選手
青木拓磨選手

青木選手は、このフォーミュラEの横浜開催へ向けた誘致活動の一環として結成されたチーム「TEAM YOKOHAMA CHALLENGE」からの参戦となり、発表会ではチーム代表を務める(株)フォーミュラークラブの津山覚氏のほか、地元横浜、伊勢佐木町1・2丁目地区商店街振興組合の副理事長も務めるチームコーディネーターの渡辺洋三も会場で挨拶を行いました。

ジャガーI-PACE、eTROPHY参戦仕様のマシン
ジャガーI-PACE、eTROPHY参戦仕様のマシン

青木選手は、すでにイギリスにあるジャガーのテストコースでテスト走行を済ませているとのことですが、EV特有の加減速のフィーリングをもつI-PACEは子どもの頃、夢中で遊んだラジコンと似ているようで最初から馴染めたそうです。

ジャガー・ランドローバージャパン代表取締役社長マグナス・ハンスン氏
ジャガー・ランドローバージャパン代表取締役社長マグナス・ハンスン氏も会場に駆けつけ青木拓磨選手にエールを送りました

また、スクーターのようにシフトチェンジがないEVは、手だけで運転しなければならない下肢障がい者にとっては非常にメリットが多く、ハンドドライブ装置を介した操作も非常にストレスの少ないもので、環境負荷だけではないEVのメリットを車椅子レーサー目線で語りました。

●事故後、長い道のりを経てようやく手にした競技ライセンス

振り返ってみれば、かつて青木選手が現在のMotoGPの前身となるロードレース世界選手権GP500で、初シーズンながらシリーズ5位の好成績を納めたのが1997年。しかしながら翌年の走行テスト中に起きた転倒事故により車椅子生活を余儀なくされ、ロードレーサーの道はここであっけなく絶たれてしまいます。

元々あきらめない事が信条の青木選手ですが、再び競技ライセンスを手にするのは10年近くの歳月がかかります。障がい者にとってモータースポーツライセンスの取得には様々な高いハードルがあったのです。

ジャガーI-PACE、eTROPHY参戦仕様のマシン
横浜を代表する有名な名前が連ねるボディサイド。ゼッケン24はGP500時代に青木選手がつけていた番号だ

苦労の末2007年にやっと手にしたライセンスは、レース除外という条件付きのもので、青木選手のフィールドだったサーキットでのレース活動は叶わず、ピックアップトラック4WD車によるラリーでのモータースポーツ復帰となりました。

アジアクロスカントリーラリー
最初に発給されたライセンスはレース除外という条件がついていたため国際競技のデビュー戦は2007年、アジアクロスカントリーラリー(ラリーレイド)となった。

その後一つ一つ問題をクリアし、今ではサーキットでのレースにも参戦できるようになり、今年2020年6月にル・マン24時間レースへの挑戦をするまでになっています。

eTROPHY参戦仕様のマシンのインテリア
eTROPHY参戦仕様のマシンのインテリア

●電気のF1、フォーミュラEを横浜へ!

今回挑戦する「ジャガー I-PACE eTROPHY」は、市街地コースで開催されるレースです。使われるマシンは青木選手曰く、1.9t近くとレーシングマシンとしては重量級ですが、2t近くある4WDマシンをコントロールし一般道で競技してきたラリーでの経験は、カテゴリーが違うとはいえちょっぴりココでも生きそうです。

ハンドドライブ装置
ハンドドライブ装置はイタリアのグイドシンプレックス製。市販のモデルをそのままレースに使っている

今回のプロジェクトは先にも述べた通り、フォーミュラEの横浜開催を目指した取り組みの一環ですが、海なし県(群馬県)で生まれ育った青木選手にとって横浜は憧れの地で、免許を取ってからはよく遊びに来ていたそうです。子どもの頃、夢中で遊んだラジコンのモーターのフィーリング、ラリーで経験した重量級4WDのコントロールなど、今日までの様々な経験が今シーズン参戦する「ジャガー I-PACE eTROPHY」にはたくさん詰まっているようです。

青木選手
右手でステアリング、左手でハンドドライブ装置を操作し運転を行う。ロールバーや開口部のカーボンパーツで安全性を確保するものの下半身が動かない青木選手は乗り降りが結構大変

なお「ジャガー I-PACE eTROPHY」は実は2019年末からシーズンが始まっており、サウジアラビアで開催された第1戦、第2戦は終了。青木選手はメキシコで2月15日に開催される第3戦からの参戦となり、イギリス・ロンドンで行われる最終戦までの7レースへ出場します。

かつてのグランプリライダーの憧れの地でフォーミュラEが開催されるよう、ジャガーI-PACEの素晴らしい走りをぜひ我々に魅せて欲しいものです。

ジャガー・ランドローバー 横浜 みなとみらいショールーム
記者発表の会場となったジャガー・ランドローバー 横浜 みなとみらいショールーム

(文・画像:高橋 学)

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