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■現代ではISO-FIX方式が主流
●前席への装着は厳禁
2000年4月道路交通法の改正によって、6歳未満の幼児にチャイルドシートの着用が義務付けられました。チャイルドシートは、シートベルトが適正に機能しない体格の小さな子供が安全に乗車できるように開発された拘束装置です。
チャイルドシート種類や役割、使い方について、解説していきます。
●チャイルドシートの種類
シートベルトと同じように、体格の小さな子供でも安全に乗車できるように開発された拘束装置が、チャイルドシートです。2000年4月道路交通法の改正によって、6歳未満の子供にチャイルドシートの着用が義務付けられました。
チャイルドシートには、体格によって乳児用と幼児用、学童用の3種類があります。学童用は6歳以上用であるため、法規上使用義務はありませんが、安全確保のために用いられます。
現在は、乳児用と幼児用を兼用できるチャイルドシートが一般的です。
取り付け方法については、常備の3点式シートベルト使って固定する「ベルト固定式」と「ISO-FIX式」があります。
●ベルト固定式とISO-FIX式
シートベルトで固定する方法は、すでに全席装着が義務化されている3点式シートベルトを利用する方式です。ベルト固定式は今のところ主流ですが、正しく固定しないと機能が発揮できず、装着ミスや誤使用による事故が発生しています。
装着ミスや誤使用を防止し、クルマへの確実な装着を目的に考えられたのが、ISO-FIX式です。ISO-FIX式は、文字通りISO(国際標準化機構)で規格化された装置で、脱着が簡単でありながら確実にロックできるシステムです。
ISO-FIX対応のクルマには、後席シートの奥にロアアンカー、シートバックの後部や上部にトップテザーアンカーが装備されています。ロアアンカーにチャイルドシート下部のコネクタを固定して、上部はトップテザーと呼ばれるベルトでトップテザーアンカーと連結して固定します。
2006年に乗用車を対象に汎用性のあるISO-FIX取り付け装置の装備が義務付けられ、2012年7月以降は統一基準のISO-FIX取り付け装置の装備が義務付けられました。
●適正な装着場所は
新生児から使用できるチャイルドシートは、前向きと後ろ向きの両方向で装着ができます。正面衝突などの衝撃から乳児を守るには衝撃が分散できる後ろ向き(進行方向と逆向き)が推奨されています。1人座りができるようになり、後ろ向きで足が閊えるようになったら、前向き(クルマの進行方向)に装着します。
装着場所については、法規上は特に指定されていません。
助手席に装着している人もいるようですが、正面衝突などでは前側のダメージが大きいこと、エアバッグが開いたときに大きな衝撃を受けるので絶対に止めるべきです。
後席の中央が安全という考え方があるようです。正面衝突時に前席との間に挟まれない、左右からの衝突に対して安全という考え方ですが、賛否はあるようです。そもそもISO-FIX仕様では、後席中央には装着できないので論外です。
後席の左右どちらかについては、衝突のパターンによって大きく変わるのでどちらが有利とは言えません。
法規上は、6歳以上になるとチャイルドシートは使用しなくても問題ありません。ただし、シートベルトが正常に機能するには身長が140cm程度以上は必要ということは認識しておいた方が良いと思います。6歳以上になっても身長が140cm以上(平均的には高学年)になるまでは、安全のため学童用チャイルドシート(ジュニアシート)を使うことを推奨します。
(Mr.ソラン)