■3年2か月で累計200万本を達成
トヨタやレクサスをはじめ、ホンダ、日産、SUBARUなど数多くの自動車メーカーが採用している車両用車体制振ダンパーの「ヤマハパフォーマンスダンパー」が2020年1月22日、累計200万本を達成し、緩衝機器などの生産子会社であるヤマハモーターハイドロリックシステムの沼津工場において記念式典が行われました。
TRDのパーツでもパフォーマンスダンパーと表記されていますが、「パフォーマンスダンパー(ヤマハパフォーマンスダンパー)」は、ヤマハ発動機の商標登録になります。
「ヤマハパフォーマンスダンパー」は、乗用車の主要部に搭載する車体制振ダンパー。走行中の車体のごくわずかな変形や振動を穏やかに整え吸収するための装置で、様々なメーカーにおいて操縦安定性や快適性の向上に寄与しています。各自動車メーカーのエンジニアに伺うと、同ダンパーの「あり」「なし」ではやはり明確な差があるそう。
ヤマハパフォーマンスダンパーは、車体への減衰要素の付加により、車体の変形エネルギーを吸収し、熱エネルギーとして発散させるのが特徴です。これによりボディの過大な変形速度が抑制され、比較的大きな車体変形を伴う高速走行時において高い運動性と安定性を両立させ、操縦安定性を向上させることはもちろんのこと、快適性の向上にも寄与するとしています。
通常、乗用車の車体は、走行に伴い1mm以下のごくわずかな変形が生じています。弾性体である金属製の車体は、変形に対する減衰性が低いため、外力による変形エネルギーはほぼそのまま蓄積・放出され、固有振動数で変形を繰り返そうとします。これを吸収、発散させるのが同ダンパーの役割になります。
同ダンパーは、2000年に基本概念を発案後、2004年4月に量産品として初めて採用され、2016年11月の累計100万本達成から3年2カ月での累計200万本を達成。
なお、ヤマハパフォーマンスダンパーは、2005年に機械振興協会が主催する「第3回新機械振興賞」にて会長賞受賞業績として選定されたほか、2006年には自動車技術会が主催する「第56回自動車技術会賞」にて技術開発賞を受賞、2008年には新技術開発財団が主催する「第40回市村産業賞」の貢献賞を受賞しています。
(塚田勝弘)