プラットフォームの革新的進化により飛躍的に性能が向上した4ドアクーペ【メルセデス・ベンツCLA試乗】

■先代とは比べものにならないほど上質でスポーティ

メルセデス・ベンツブランドのなかでもっともコンパクトなモデルとなるAクラスをベースとして、スタイリッシュな4ドアクーペとして登場したのがCLAです。

初代CLAは2013年に登場しました。初代はメルセデスがまだFFのスタイリッシュなモデル作りになれていないイメージだったのですが、新型は飛躍的な進化を遂げました。

CLA前7/3
スポーティなエクステリア

ボディサイズは全長×全幅×全高が4695×1830×1430(mm)なので、Aクラスベースとはいえ、そこそこのサイズです。

全幅は5ナンバーサイズを大幅に超えていますが、全長も5ナンバーサイズギリギリです。車重も1610kgと1.5トンを超えるので、なかなかのボリュームです。ボディタイプはサッシュレスドアを持つ4ドアで4ドアクーペと呼ばれるもの。

セダンほどではありませんが、リヤシートにもちゃんと乗車でき、4-2-4分割のトランクスルーも装備され実用性も確保されています。インパネは横方向に細長いフレームに液晶パネルを2枚組み込んだものが採用されます。

CLAリヤスタリング
リヤからの長めも美しいCLA
CLAフロントシート
CLAのフロントシート
CLAリヤシート
CLAのリヤシート

新型AクラスはMFA2と呼ばれるプラットフォームを採用しています。このMFA2になって以来、メルセデス・ベンツのコンパクトモデルは飛躍的に性能が向上している印象です。

CLAは先代でもスポーティな印象はあったのですが、現行モデルは全体的によりキッチリとした印象です。つまり動きがより正確になった印象なのです。駐車場からクルマを出すときのちょっとした段差に対する動きやステアリングに感じる反力などからその印象がありますので、まさに「ちょっと動かしただけで違いを感じる」のです。ワインディングを走らせるとハンドリングの正確さはさらに感じられます。

CLA インパネ
スッキリしたデザインのCLAのインパネ
CLAトランク
トランクスルーを備えるCLAのトランク

2リットルの4気筒ターボは224馬力/350Nmのスペックを持ちます。最大トルク発生回転数が1800回転と低いのが特徴です。組み合わされるミッションは7G-DCTと呼ばれるデュアルクラッチ式です。アクセルをちょんと踏み込むとスッとクルマが前に出ていきます。

エンジン回転の上昇はスムーズで、力強さを感じます。1リットル当たり100馬力を軽く超えるパワースペックですから、力強さは十分過ぎるほどと言っていいでしょう。1.5トンオーバーの車重を考えれば、かなりキッチリ走ります。とはいえ駆動方式が4WDの4MATICを採用するので、安定感もありパワーに振り回されるようなこともありません。

CLAエンジン
250は2リットルターボのエンジンを積む
CLA正面スタイリング
上方を絞り安定感を演出したデザイン

(文・写真/諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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