■ミュルザンヌの後継は新型フライングスパーが担う
ベントレーは、ラグジュアリーリムジンの最上級モデルである「Mulsanne(ミュルザンヌ)の生産終了にあたり、限定車を発売すると発表しました。
限定車の「Mulsanne 6.75 Edition by Mulliner」は、英国が誇るミュルザンヌの花道を飾るのにふさわしい豪奢な仕様で、30台のみの限定生産になります。
名称の由来であり、この限定モデル誕生のきっかけともなった6.75L(6747cc)エンジンは、2020年で記念すべき60周年を迎えています。
なお、30台の「6.75 Edition」がミュルザンヌの最後になり、新たな最上級モデルとして、新型「Flying Spur(フライングスパー)」がラグジュアリーカーラインアップの頂点に立つことになります。フライングスパーには、2023年までにハイブリッドシステムの導入が予定されているそう。
同限定車のベースは537ps・1100Nmを発揮する「Mulsanne Speed(ミュルザンヌ・スピード)」で、史上最高の超高級セダンを謳うドライバーズカー。
同限定車には、インパネのエアベント操作ノブを「オルガンストップ」仕様ではなく、エンジンオイルキャップがミニチュア化されたデザインに変更されています。
また、「6.75 Edition」のモチーフが各シートに刺繍され、エクステリアとエンジンルームには、同モチーフがデザインされたクロームバッジを配置され、同モチーフはLEDウェルカムライトで投影されます。時計とマイナーゲージの表示面にはエンジン断面図を模したデザインを採用が採用されています。
■精悍さを増したフロントマスク
エクステリアには、グロスブラックのブライトウェアを配置し、オーナーが選択したエクステリアカラーにアクセントを付加。ヘッドライトとテールライトは、ブライトクロームで縁取りされています。
ボンネットの「Flying B」マスコット、Mulliner Serenityラジエターグリル、エキゾーストフィニッシャーは、すべてダークティント仕上げに。さらに、Mulsanne Speed専用の21インチ5本スポークホイールがブライトマシニング仕上げになり、ポケット部分はグロスブラックになります。
また、ボンネット下のインテークマニホールドがシルバーからブラックに変更され、エンジンナンバープレートは、エンジンを組み立てた職人の署名ではなく、同限定モデルではBentleyのエイドリアン・ホールマーク会長兼CEOの署名が入ります。
キャビンにもこだわりの装備が随所に採用されています。レザーハイドは、シングルトーンでImperial Blue、Beluga、Fireglow、Newmarket Tanの4種類が揃えられていて、専用のカラースプリットを採用。
シルバーのシートパイピング、センターコンソール周囲のレザーハイド、ディープパイルオーバーマットのバインディング、シートとドアインサートの多孔レザーからのぞくアクセントカラーなどがインテリアに趣をプラス。センターコンソールとリヤのキャビンコンソールのウッドパネルにはシルバーのペイントが施され、フロントコンソールには金属製の記念プレートが配置されます。
また、フェイシアとウェストレールは高光沢のGrand Black仕上げとし、ウェストレールには、「ダークエンジンスピン」模様があしらわれたアルミニウム製インサートを装着されています。
(塚田勝弘)