深リム細スポークの流行に一石を投じる、音振対策に振ったラグジュアリホイールを発表したRAYS【東京オートサロン2020】

■鍛造ホイールの細スポーク化はどこまで進むのか?

東京オートサロンの西ホールにブースを構えたホイールのトップブランドRAYS

RAYSブース
RAYSブース

RAYSの鍛造スポーツホイールブランドであるVOLK RACINGの新製品はどれも鍛造の特徴を生かした細いスポークが特徴的。

VOLK RACING GT090
VOLK RACING GT090

特にG025は極限までスポークを細くしており、特に濃色のモデル・VOLK RACING G025は走り出すとスポークの存在感が全く無くなってしまうほど。

VOLK RACING G025
VOLK RACING G025

熱と圧力により合金の密度を最大限に高める鍛造という製法により強度を増したスポークは、技術革新とともにどんどん細くなっていきます。スポークの厚みはG025ではもはや1cm近くまで細くなっており、この先どこまで細く、軽くなっていくのか興味は尽きません。

■音と振動を克服する鍛造ホイールの新しいカタチ

同じRAYSの新シリーズとして発表されたVMFはVOLK RACINGの新作とはコンセプトが全く違います。

マクラーレン720SとVMF
マクラーレン720SとVMF

そのコンセプトは鍛造の持つ強度と軽さを生かしながらリムとスポークの形状と強度バランスによってロードノイズと振動を減らしていこう、というものです。

マクラーレン720SとVMF
マクラーレン720SとVMF

スポークの形状に折り紙の発想を取り入れたと言い、この形状がノイズや揺れなどの原因となる振動を吸収し、ラグジュアリーな乗り味を発揮していくとのことです。

RAYS VMF
RAYS VMF

しかし、鍛造のワンピースホイールは金型の段階でホイールの大まかな造形を作り上げなくてはならず、VMFのような複雑なスポーク形状は本来は苦手のはずです。しかしこの複雑な形状を鍛造で作り上げてしまうところにRAYSの技術力の高さがあるのです。

RAYS VMF
RAYS VMF

そのラグジュアリーな性能と形状を表現するために展示車両にマクラーレン720Sを使ったとのこと。スーパーカーにこそマッチするホイールということなのです。

■レーシングホイールをそのままロードホイールとするコンセプトも

またRAYSの新しい試みの中にはかなり大胆なものもありました。SUPER GTで使っている1ナットのレーシングホイールそのものをロード用の5穴にしてしまうというもの。

レーシングホイールをロードホイールへ
レーシングホイールをロードホイールへ

写真の下がレーシングホイール、上が5穴化されたレーシングホイールのロードバージョンです。ハブ部分以外はすべて同じ仕様ということで強度と軽さのバランスが求められるレーシングホイールをハイパワーロードカー存分に味わえるものとなっているのです。

(写真・文:松永和浩)

この記事の著者

松永 和浩 近影

松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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