ついに最高出力は1110psに到達! トップシークレットGT-Rの進化が止まらない【東京オートサロン2020】

■RB30スカイライン・ジャパンやフェラーリ458など最新チューニングをお披露目

世界最速を目指してチューニングを続けるスモーキー永田率いるトップシークレットは、もはや世界にもその名を知られています。アウトバーンで341km/h、イギリスの高速で317km/hなど各地で速度違反を繰り返し、首都高の料金所ではバーンアウトを繰り返すなど、逸話は語り尽くせないほどあります。

そのトップシークレットでは1000ps超えのR35GT-Rを数年前にオートサロンの会場でお披露目しましたが、今回は実に1111psにまでパワーアップさせて再登場です。そのほか、懐かしのR32GT-Rやスカイラインジャパンを現代の技術でチューニングさせた成果を披露しました。

ついに1111psにまで達したR35GT-Rは、名付けて「スーパーGT-R1100」です。

スーパーGT-R1100のフロント
1000psを超えて世間をアッと言わせたトップシークレットR35GT-Rが、さらにポテンシャルをアップして帰ってきました。今回は1111psと127kgmという驚異的な出力を達成してスーパーGT-R1100を名乗ります。

タイムアタック仕様ですが、注目すべきは市販パーツに拘って製作されているところです。いわばストリートチューンにも応用が効く内容といえます。エンジンはHKSピストンキットや1300ccインジェクターなどを装備して、トラストTD06タービンを改造して使っています。最高出力は1111psで、トルクは127kgmにもおよびます。

G-EFFECTと呼ばれるキットを使った外装は、まさにレーシングカー。トップシークレットのために製作されたO・Zレーシング製ホイールは11J×20インチになっています。

スーパーGT-R1100のホイール
トップシークレット製TSS-11サスペンションキットを装着した足元にはO・Zレーシング製35GT-R SF TOPSECRETホイールを履いています。タイヤは前後ともに285/35R20となっています。

白いボディのR32GT-Rは、長年トップシークレットがチューニングを続けてきた得意車種です。

VR32GT-Rのフロント
1993年式のR32スカイラインGT-Rをベースに製作されたVR32GT-Rです。その名の通り、R35GT-R用VR38DETTエンジンや駆動系が移植されています。そのためボンネットやフェンダーの形状も変更されています。

今回は最高のR32GT-Rにするべく、R35GT-R用VR38DETTエンジンを移植した究極的なクルマに仕上げられました。VR38DETTエンジンはもちろんノーマルではなく、試作タービンやφ80インタクションキット、I断面コンロッドなどを用いて730psにまでパワーアップされています。クラッチやミッションもR35GT-Rから移植されているので、その走りはまさにチューンドR35GT-Rそのものです。それをコンパクトなボディのR32GT-Rで実現してしまったところがトップシークレットならではの技術といえるでしょう。

VR32GT-Rのホイール
TOPSECRETスペシャル・サスペンションキットを装着した足元にはO・ZレーシングChallenge HLTホイールを履きます。前10.5J×18、後11J×18サイズでタイヤは前後とも275/35-18です。

そして最後はオジサン世代に懐かしい、スカイライン・ジャパンです。

スカイライン・ジャパンのフロント
オジサン世代が涙しそうなスカイライン・ジャパンは1977年式の前期型をベースに、リップスポイラーやオーバーフェンダーを装着しています。どちらもあえてビス留めというところがマニア心をくすぐります。

5代目スカイラインは伝統のサーフィンラインが残る最後の世代として今も人気があります。オリジナル状態ではL型6気筒エンジンを搭載していましたが、トップシークレットらしくチューニングしたRBエンジンに換装されています。得意のRB26DETTかと思えばそうではなく、オーストラリア向けだった3リッターのRB30用ブロックにRB26ヘッドを組み合わせた3リッターDOHC仕様になっています。もちろん最速を狙える内容ではありませんが、懐かしのジャパンでも現代らしく楽しめる仕様といえるでしょう。

スカイライン・ジャパンのエンジン
美しく仕上げられたエンジンルームにはオリジナルのL型6気筒に替えてオーストラリア向けRB30ブロックにRB26ヘッドを組み合わせたRB30DEエンジンが載っています。独立スロットルにより280psを発生します。
スカイライン・ジャパンのホイール
TOPSECRET車高調SPLサスペンションキットを装着してローダウンしています。ブロンズカラーが印象的なホイールは旧車チューナーであるスターロードによるグロースターです。
スカイライン・ジャパンの室内
室内は純正を保ちつつステアリングやシートを刷新して操作性を向上させています。ジャパン純正の水平ゼロ指針メーターが懐かしいですね。エアコンもしっかり使えるそうです。
フェラーリ458
GT-Rばかりではありません。フェラーリ458の外観をFXX KエボそっくりにしたF458EVOなんてクルマもトップシークレットでは製作しています。実用性を重視してブレーキローターをカーボンからスチールに変更しています。

(増田満)

この記事の著者

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増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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