■車載3D複合現実ヘッドアップディスプレイも搭載
さらに、「CES 2020」の展示車に搭載される3D複合現実ヘッドアップディスプレイにより、目的地が存在する横道を正確に指し示すナビゲーションの矢印などが現実になるとしています。サムスン電子と共同開発された技術は、3Dテレビと同様、各画像について2つのビュー(左目用の1つのピクセルと右目用の隣接するピクセル)が生成されます。3D複合現実ヘッドアップディスプレイの画像は、ドライバーの前方8〜10mの距離に浮かんでいるように見えます。巧みな表現方法により、この距離感は70m以上にまで変更することも可能。それにより、遠くを見て走行しているときに、画像を見るために目の焦点を合わせ直す必要がなくなります。
加えて、オンデマンドで作動する透明なディスプレイも特徴。スクリーンは縦15cm、横122cmのサイズで、下端はインストルメントパネルに埋め込まれています。透明な有機ELディスプレイと、特に濃いブラックを表現する黒のレイヤーという2層構造になっています。情報の表示に必要ない部分は透明なままになっていることが、このディスプレイの大きな特徴となっています。この部分は、透明なガラスと同様に、前方の路面をよく見渡すことができます。
さらに、最高のネットワーク性能も用意。第三世代のモジュラーインフォテインメントプラットフォーム「MIB 3」がその中心的な役割を果たします。メインプロセッサーは、「MIB 2」と比較して10倍の処理速度を誇るそう。これは、例えばルート計算や交通量予測などに際し、大きな利点になるそう。
「CES 2020」に披露されるのは、コンセプトカーの「Audi AI:ME」、12.3インチのタッチスクリーンを備えて市販車に近いショーモデルである「Audi Q4 e-tron concept」から、2020年春に搭載が開始されるデジタルマトリクスLEDヘッドライトを備えた「Audi e-tron Sportback」まで多岐にわたっています。
(塚田勝弘)