●現行型アルファードの中古車平均価格が値崩れ中!? その原因を考察
2019年11月の新車販売台数ランキングで5748台を記録し、堂々のベストテン入りを果たしているトヨタ・アルファード。車両本体価格が約340万円からという高級車ながら安定した販売台数を継続し「ミニバンの王者」とも言われています。
新車の販売台数は順風満帆なのですが、中古車相場相場では異変が起こっているのです。現行型アルファードといえば2015年1月に登場し、2017年12月にマイナーチェンジを行った以降も、高い人気に支えられて中古車相場は高値安定傾向が続いていました。
しかし、現在この現行型アルファードの中古車相場で、値落ちに歯止めが掛からない状況となっているのです。
現行型アルファードの中古車の流通台数は現在、約1580台となっています。3カ月前は約1180台だったので、わずか3カ月の間に400台も増加しているのです。しかし、中古車の平均走行距離は3カ月前の時点が約1万2500kmでしたが、現在は約1万3000kmとわずかに延びている程度なのですが、中古車の平均価格は3カ月前の約423万円から今月は約403万円へと20万円も値落ちしているのです。
アルファードの兄弟車であるヴェルファイアのこの3カ月の値落ち幅は約384万から約376万円と8万円の値落ちなので、いかにアルファードの値落ち幅が大きいかがわかるでしょう。これが人気のないクルマならば全然驚かないのですが、人気車のアルファードだからこそ注目なのです。
このアルファードの値落ちの要因として一つ考えられるのが、東京モーターショーに出展され11月に発表されたトヨタグランエースの影響も考えられます。全長5.3mというフルサイズワゴンのグランエースの室内空間の広さは魅力と考えたユーザーがアルファードからの乗り替えを考えたと言えるでしょう。
値落ちしているアルファードの中古車相場をもっと詳しく見てみると、2015年〜2017年式の初期モデルの平均価格は約385万から約377万円へと8万円の値落ち。そして2017年〜2018年式の前期型の平均価格は約487万から約470万円へと17万円の値落ちを記録しています。一方、2018年〜2019年式の後期型は約456万円の横這いとなっています。現行型アルファードの中古車は前期型の2017年式が初の車検サイクルを迎えるタイミングで中古車が大量に出回ったことによる値落ちと言えるでしょう。
その値落ちの目立つ2017年〜2018年式に絞りどのグレードの値落ちが目立つのかを調べてみると、相変わらず2.5Lのエアロ系グレードは高値安定傾向が続いています。しかし、同じ2.5L車でも標準系の2.5Xは3カ月前の約363万円から現在は約333万円と30万円の値落ちを記録しています。
また流通台数は少ないですが、走行距離が減少しているにも関わらず3.5エグゼクティブラウンジSは3カ月前の約737万円から約700万円へと37万円の値落ちを記録しています。これまではアルファードならば、どんなグレードでも高値安定が続いていましたが、2.5Lのガソリン車のエアロ系モデルやハイブリッド車を除くと値崩れが始まったと言えるでしょう。
(文:萩原文博、写真:トヨタ自動車)