【新型ホンダ・フィット速攻試乗】運転支援系は標準装備! 小っちゃいくせに高級車ばりの走りに清水和夫もビックリ!【StartYourEnginesX】

■悪路でも暴れない! 高級車並みのダンピングの良さに、も~ビックリ!

●2020年2月から市販予定、コイツは革命的ともいえるクルマだよ!

東京モーターショー2019で初公開されたホンダ・フィット。4代目はグローバルカーなコンパクトカーを目指し、「心地よい視界であること」「座り心地がよいこと」「乗り心地がよいこと」「使い心地がよいこと」のテーマを掲げ開発されました。2020年2月から市販される予定ですが、国際モータージャーナリスト・清水和夫さんがいち早く、その実力をチェックしました!

※この動画、諸事情により音声が聞こえずらく申し分けございませ~ん(清水和夫)!

●さぁ、新型ホンダ・フィット、まずはハイブリッド仕様から!

フィット新型! ホンダがかなりの気合い入れていますよ! プレゼンテーションを聞いただけで、久しぶりにワクワクするクルマの登場だよネ。

まだ細かくは発表されてはいないんですけど…。実はこれには4WD仕様もあって、これこそが…! これ以上言わない(言えない)!

新型フィット
いよいよですね、HONDAフィットの市販は2020年2月からを予定されています!

昔のビスカスがモーターと組み合わされることによって、見事に復活した!という素晴らしいものなんだけど、またそれは雪道かなんかで乗りたいと思います。

フィットのAピラー
右手のところのAピラー、凄く太かったのを、奥にガラスを入れることで視界が物凄く良くなりました。

ボディ骨格も新しいですね。ぶつかったときの荷重はこのAピラーでとります。実は元々、Aピラーがもっと太かったんですけど、ココ(奥)にお飾りのガラスを入れて。Aピラーが手前に来ているので視界性能がメチャクチャ広いです。

ボディは、このパッケージが衝突安全含め、視界性能、ボディ剛性アップ、部分的に言うとリヤのダンパー周り、フロントストラットのところに補強材を入れたり。全体の剛性と部分的な剛性が上がっていて、このクラスにすれば素晴らしくいいですね。

テストコースを走る新型FIT
北海道のテストコースを走るホンダ・フィット。凹凸の処理はヨーロッパの高級車並みです!

今までのホンダ車と違ってダンピングが良いですね。多少悪い路面で足が動いても、一発で収まっています。ダンピングで固い乗り心地を不快にさせない…というチューニングは、ポルシェやBMWの得意とするところ。ヨーロッパ車に負けないフットワークができて、でも燃費はいいし2モーターのハイブリッドなので、どこの国に行っても燃費がいい。でも今は燃費だけでは売れないので。ドライバビリティの良さ、安全性能、視界性能をアップ。コレ、忖度してホンダをヨイショするコメントではないんですよ! ファクトとしてこのフィットですね。

●運転支援システム系はこのクラスでも標準装備!

これからADAS(先進運転支援システム)、LKAS(車線維持支援システム)を使ってみたいと思います。

ADASを試します。今、高速道路も日本では120km/hのところもあるので設定。でも前の車がいないのでクルーズコントロールで走っていますけど、LKASが素晴らしくできていますね。

カメラで白線見て、車線維持のアシストがついています。まだハンズオフはダメなんですけど、ちょっと手を添えているくらいのハンズオンの状態です。車線から逸脱しそうになるとアシストします。この辺の動きは物凄く良いですね。

ハンズオフはNG
まだ自動運転のレベルではないので、ハンズオフ=手放し運転はNG! クルマに怒られます!

このフィットクラスでこんな良いものが出てきちゃった! 自動運転レベル3に行くにはコストがかかってしまうのでこのクラスには難しいかもしれませんが、やがてこのクルマはレベル2のハンズオフくらいならいけちゃうかな?って気がしますね。

ステアリングの電動パーツがアシストしてくれるので、切り遅れたりすることは無いですね。人間がボ~ッとしてもシステムがステアリングをアシストしてくれます。手放しもできるけど、でも怒られちゃいます!

パワートレーンは、最大で200Nmちょっとくらい、ゴルフTSIの1.4Lターボエンジンくらいのトルクは出ていますね。

●足まわりの凄さにさらにビックリ!

これよりワインディング。「ニュルブルクリンク」とか書いてありますねぇ。サスペンションのフリクションが無いから、凄くスムーズにサスが動いていますね。しなやかに走っています。

ただ、突起の強めのヤツがドン!ときたときにどうなるか?というのもポイントなんですけど、そのへんは部分的なボディ剛性も高いので、非常にダンピングは良いですね。すぐにショックアブソーバーに力が入って減衰力がスッと立ち上がるので、ダンピングの良さで固さを気にしないようにしています。

また、ゆるい凹凸のところは逆にサスペンションをしなやかに使っています。「柔」と「剛」のバランスが凄くいいと思います。

おぉ~気持ちいいぞ! コレでラリー出たいな。静かでトルキー、小っちゃいくせに高級車だな! ちょっと驚きの良いクルマですよ! ホンダやるね!

●1.3LのCVT仕様、コッチのほうがスポーティ、でも燃費の良さはアッチ!

コチラは1.3LのCVT、エンジン車ですね。ハイブリッドではありません。走りは悪くないね。ADAS、LKAS、CCS(クルーズコントロールシステム)含めて標準装備だと聞いて驚いているんですけど、先進技術も安全技術も洗練されていますね。

1.3L CVT仕様
CVT、燃費は悪いけど、スポーティさでいえばハイブリッドよりも上をいきます。

ハイブリッドと違うのは燃費とトルク。ハイブリッドは220~230Nmくらいなんですけど、1.3L なのでせいぜい130Nmくらい、100Nmくらい違います。これは燃費とかドライバビリティが違うので、たくさん距離走る人はハイブリッドが良いし、街中チョコチョコくらいならCVTも悪くないなと思います。でも平均燃費でみると40%くらい違いますね。

ちょっと凹凸のきついところに来ても、しなやかに動いてダンピングで止めるし、ハイブリッドよりもエンジンやフロントが軽いので、コッチのほうがスポーティと言えるかも。

これだけ静かでもエンジン車なんだね。上質な感じがあります。ステアリングに対するダイレクト感もあります。ハンドリングもいいね。ワインディングではハイブリッドよりもスポーティだし、フロントの動きがよりダイレクトな感じがします。ステアリングの手ごたえもいいです。

道の悪いところを100km/hで飛ばしても暴れない。ビクともしない! 制限速度60km/hって言われたけど、あまりにも気持ちよかったので全開しちゃった!

北海道のテストコースを走るFIT
いや~、この新型FITの良さは特筆ものです! ホント、忖度無しで物凄くイイです!!

ヘッドライトのスイッチもオフになりません。オートがデフォルト、これもいいですね。点け忘れが無い。このシステムはメルセデスベンツが最初にやったんですよね。

新型フィット、こういう細かいところもいいです。

(試乗&レポート:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX/取材協力:ホンダ)

【関連リンク】

StartYourEngines HP
https://www.startyourengines.net

国際モータージャーナリスト、清水和夫が主宰する自動車専門動画ウェブメディア。クルマの限界性能と安全性を徹底的に試すダイナミック・セイフティ・テスト(DST)を始め、国内外の新車インプレッション、注目度の高まる先進安全技術、自動運転など、クルマに関するあらゆるジャンルの動画をサイトアップしています。ぜひぜひ!チャンネル登録のうえご視聴ください。

StartYourEnginesX
https://www.youtube.com/user/StartYourEnginesX

この記事の著者

清水和夫 近影

清水和夫

1954年生まれ東京出身/武蔵工業大学電子通信工学科卒業。1972年のラリーデビュー以来、スーパー耐久やGT選手権など国内外の耐久レースに参加する一方、国際自動車ジャーナリストとして活動。
自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。clicccarでは自身のYouTubeチャンネル『StartYourEnginesX』でも公開している試乗インプレッションや書下ろしブログなどを執筆。
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