日本をメインマーケットとしたエコタイヤ「ミシュラン・エナジーセイバー4」登場

●エコ性能だけでなく総合性能もアップさせた、ミシュラン・エナジーセイバー4

ミシュランのエコタイヤ「エナジーセイバープラス」の後継モデルとなる「エナジーセイバー4」が発表されました。

エナジーセイバー4 外観
エナジーセイバーシリーズとしては3作目だが、ネーミングは「4」。ミシュランでは現行世代のタイヤを「4」に統一中だ

現行モデルである「エナジーセイバープラス」は、メルセデス・ベンツやBMWはもちろん国産車にも純正されるベーシックタイヤとして高い評価を受けています。

今回発売された「エナジーセイバー4」はこの「エナジーセイバープラス」の後継モデルとなるエコタイヤです。「エナジーセイバー4」は日本のタイヤラベリング制度を重視したモデルで、日本で設計&開発を行い、タイ工場で製造。

ごく少量が香港と台湾で発売されますが、基本は日本をメインマーケットとしてデリバリーを行います。

エナジーセイバー4 スリップサインハイライト
軽自動車サイズのタイヤにはスリップサインをより目立たせる工夫が行われている。

タイヤの設計ではひとつの性能を向上すると別の性能がダウンするというトレードオフの関係が見られますが、ミシュランの設計思想ではこのトレードオフは認められず、ひとつの性能を向上した際にそのほかの性能は最低でも現状維持が当たり前、できればともに引き上げられるというのが求められています。

195幅以上サイズのストレートグルーブは3本、185幅以下サイズは2本となる

日本の低燃費タイヤでのタイヤラベリング制度では転がり抵抗性能とウエットグリップ性能が重視される傾向があります。この「エナジーセイバー4」ではウエット性能はbおよびCを獲得、転がり抵抗ではAAが2サイズ、Aが20サイズを獲得しています。

ウエットブレーキ性能は「エナジーセイバープラス」に比べて5.5%短縮を実現しています。このウエットブレーキ性能の向上には、新配合のコンパウンドが効力を発揮しています。

コンパウンド
シリカを配合している以外はすべて未発表のコンパウンド
アンダートレッドラバー
トレッドの下(内側)にラバーを追加することで、燃費性能や静粛性を向上

一方パターンノイズは「エナジーセイバープラス」に比べて5%低減、ロードノイズが9%低減に成功しています。この性能向上には、縦溝(ストレートグルーブ)幅の最適化やトレッド下に配置されたアンダートレッドラバーが効果を発揮。アンダートレッドラバーは転がり抵抗の低減にも効果を発揮しています。

195/65R15サイズで80km/hから20km/hまでの減速距離を計測
ノイズ計測
195/65R15サイズでアスファルト路面で計測

販売予定サイズは145/80R13〜205/55R16まで23サイズが用意されます。ミシュランはタイヤの性能に対して大きな自身を持っていて、この「エナジーセイバー4」にも購入から60日間に性能に満足がいかない場合全額を返金保障。ミシュランオンラインストアでの購入者に対しては2年間のパンク補償が付帯します。

サイズ表
23サイズを発売予定。転がり抵抗はAもしくはAAを確保している

エナジーセイバー4 イメージ
(文/写真・諸星陽一)

この記事の著者

諸星陽一 近影

諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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