目次
■運転のしやすさはカローラスポーツ、荷室の使い勝手はゴルフ、インテリアの質感は?
1.運転席からの視界の広さはどうか?
2.前席・後席シートの座り心地はどうか?
3.荷室の広さの違いはどうか
1. 運転席からの視界の広さはどうか?
カローラスポーツの良い点のひとつが「運転席からの視界」です。特にフロントサイドの小窓が大きく設計されており、またドアミラーとなっていることで、フロント左右の状況を確認しやすい点は、ゴルフに対して勝っています。ゴルフにも小窓はありますがサイズが小さく、また太いAピラーも災いし、身体を前に出してのぞき込まなければ見えません。
また、ナビなどで使用するモニターの位置も、カローラは、ダッシュボードの上方にレイアウトされており、画面を確認する際、運転中の視線移動量が少なくてすみます。ただし大型モニターは、ドライバーと水平になっているため、画面左端のスイッチ操作は手を伸ばさないとなりません。
2.前席・後席シートの座り心地はどうか?
今回のカローラスポーツで、特筆すべきアイテムのひとつがフロントシートです。過度に身体を固定していないにもかかわらず、サポート性が高くできています。これは、腰周りや脇腹を中心に身体を支えるシートの形状、得に背中側のシートバック形状の作りが優れているためだと考えられます。カローラスポーツやツーリングに採用されているスポーツシートだけではなく、カローラの標準シートでも共通した利点であり、旧カローラとは一線を画す劇的に良くなったシートです。ただし後席は尻下のクッションがやや硬めです。身体がシートへ沈み込むようなことはない張りの強いシートです。
3.荷室の広さの違いはどうか?
ちなみにカローラツーリングは392(802)リットル、カローラセダンは429リットルと、カローラスポーツはセダンにも劣るという容量なのです(※カッコ内は後席シートを倒したとき)。ただしカローラスポーツは、荷室の下を2段調整ができる底にしており、使い勝手を良くするように工夫をされています。ただ、実際の使い勝手を考えると、さらに気になる点があります。
※VDA方式・・・ドイツ自動車工業会が定めた、200×100×50mm(容量1リットル)のテストボックスをラゲッジスペースに詰め込み、その入る個数を容量としてカウントする指標
例えば、地面から荷室までの高さ。カローラスポーツが73センチに対してゴルフは68センチと、5センチもゴルフの方が低い点。荷室の間口の幅は、カローラスポーツが96センチ(105センチ)に対してゴルフは100センチ(105センチ)など、荷室の広さ、使いやすさはゴルフの方が上手です。カッコ内は最も広い場所での幅です。
●まとめ
新世代カローラのインテリアが、格段に質感が上がったとはいえ、いまだゴルフの方が作り込みには高級感が漂っており、両車とも370万円前後という車両価格を加味すると、カローラスポーツのクオリティは追いついていないように感じます。次回は、この2台の「走り」について、具体的に「良い点、気になる点」に分けてレポートします。
(文:吉川賢一/写真:鈴木祐子)