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■4.4L V8+2基のツインスクロールターボチャージャーが「スペシャルなM8」を主張する
国際モータージャーナリスト・清水和夫さんプレゼンツ!【StartYourEnginesX】今回は、2019年6月25日に日本でリリースされ、12月にはデリバリーがスタートする「BMW M8 カブリオレ コンペティション&クーペ コンペティション」を、秋のポルトガル・ファロのストリートとアルガルヴェサーキットにていち早く試乗したスペシャルインプレッションをお届けします。
唯一のV8 ツインスクロールターボチャージャー+クロスバンク エキゾーストマニホールド仕様の強烈なパワー&トルクを堪能した清水さん。では、動画プラスでドーゾ!
●625ps&725Nmのパワー&トルクはミッションの限界に合わせただけ。まだまだトルクアップできる!と見た
さぁ、ポルトガルのファロで、まずは「M8カブリオレ コンペティション」に乗ります。
このエンジン、625ps、750Nmのパワー&トルクが出ています。
スタンダードのV8ターボと違って、これは2つのツインスクロールタービンを装備、各気筒が排気干渉しないよう、2気筒ずつをひとつに集合させてからツインスクロールターボチャージャーに排気を入れるんですね(クロスバンク・エキゾーストマニホールド)。2つのタービンがあるから全部で足が4本。そこから2つずつの気筒を1つの管に集合させてタービンに持ち込む…と。
スタンダードのターボはこのシステムはやっていません。非常に手間もかかるし個々のパーツを作るのも大変な技術で、世界でもこのような使い方をしているV8エンジンは、このMのV8エンジンだけなんです。
ある日本の、V8エンジンを作る自動車メーカーのエンジニアが言っていましたけど、「ただVバンクの中にタービンを入れただけではなく、このM系の8気筒ターボは素晴らしい技術だ!」と言っていました。
ギヤボックスはトルクコンバーター型8速トルコンAT。この「700Nm」という高トルクが微妙で…。なぜかというと、トルコンの限界で決めているらしいんです。エンジンはもっとトルクを出せる…そういう言い方をしていましたね。もうトルクに対してトランスミッションの限界が来ているのです。1000Nm!くらいは出そうと思えば多分、出せるのかも分かりません。
M8コンペティションのカブリオレ、強烈なエンジンを持っています。ノーマルの850は非常に洗練された上品なV8なんですけど、MのV8は獰猛で、油断したらやられちゃうな!って感じのエンジンですね。
ターゲットはズバリ、ポルシェターボのカブリオレ!…かな?って気がしますね。ウン、もうズバリそこだと思いますね。あとはAMGとかもライバルになるのかと思いますが。
いずれにしても、おそらく2000万円級のスーパーラグジュアリークーペ、このM8カブリオレ コンペティション。もう言葉がないくらい楽しいクルマです!
でもね、サスペンションが凄くいいからMとは思えないくらい乗り心地が良いんだよね。ノーマルの850カブリオレは物凄く上品なクルマに仕立てられているんですけど、こちらはかなりスポーティでいながら、乗り心地の快適性という部分では、ノーマルの850に全然ひけを取らないくらいです。高性能タイヤと引き締まったサスペンションを持っていて、それが非常にダンピングが良いので気持ちよく走れます。
■M8 コンペティション クーペはサーキットで全開!
●シミちゃん、ひたすら無言で走っています。熱い走りは動画でドーゾ!
[M8 コンペティション クーペをアルガルヴェサーキットで全開テストをする清水和夫さん。何も喋りません…! 走りに集中するのが楽しいようです!!]
(試乗&レポート:清水 和夫/アシスト:永光 やすの/動画:StartYourEnginesX)
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