●ターボの過給感が強くなく、より大きな排気量のNAエンジンのよう
ダイハツから登場した新型SUV・ロッキー G(FF)に試乗しましたので報告します。
ロッキーは、ダイハツがタントから採用し始めた新型プラットフォーム『DNGA』を使って作られたモデルです。
エンジンはダイハツ トールやトヨタ ルーミー系などでも採用される1L 3気筒ターボエンジンを使っています。FFと4WDの駆動方式が選択できます。
ボディは5ナンバーサイズに余裕で収まるコンパクトなもの。全長は3995mm、全幅は1695mmで、全高は1620mmあります。
ロッキーのフロント部分では六角形の大きなグリルが特徴となります。
なお、トヨタのライズはロッキーの兄弟車です。メカニズムや装備内容などは基本的に共通ですが、ライズでは専用のフロントグリルとバンパー、そしてシグネチャーライト&フォグランプ(グレード別の装備)が与えられました。
またホイールに関してもライズ専用のものが設定されますが、それ以外の部分についてはロッキーとライズは共通となります。
最小回転半径は、SUVらしい大径の17インチサイズのタイヤを採用しながらも5mと非常に小さくなっています。16インチを採用するX、Lグレードであればわずか4.9mです。
これはコンパクトな3気筒エンジンに合わせ、エンジンメンバー部分の横幅をコンパクトに専用設計したDNGAプラットフォームが効果を発揮しています。そのぶん、ステアリング切れ角を大きくできました。
ラゲッジルームは全長4mほどのコンパクトカーとしては大きめなものです。荷室容量は369Lを確保しています。また、ラゲッジ下には82Lという大容量カゴスペースも設けられています。
前後シートはブラックのファブリックタイプ。フロントシートに関しては赤いパイピングが通っています。
前後のシート設置間隔は900mmと余裕を持ってとられています。後席空間に余裕がありつつ、ラゲッジも大きめというのがロッキーのセールスポイントでもあります。
インパネはブラックをベースにシルバーとレッドの加飾が随所にあしらわれたものです。シフトゲートはセンターの高めの位置に、存在感を持ってセットされています。
ステアリングには右スポークに走行モード切り替えのパワースイッチがセットされています。このスイッチを押すことでエンジンとCVTの制御がよりスポーティに変更されます。
さっそく試乗してみます。エンジンは1KR-VET型のインタークーラー付きターボ3気筒で、排気量は996cc。最高出力は98ps/6000rpmで、最大トルクは14.3Kg・mを2400rpmから4000rpmに渡って出してくれます。
トルクを非常に低い回転から出してくれますし、エンジン回転数の変動で大きくトルクが上下することもないため、非常に扱いやすい特性です。ターボの過給感が強くなく、より大きな排気量のNAエンジンのよう。
組み合わされるCVTは新型の『D-CVT』というもの。これは通常の金属ベルト駆動のCVTに、プラネタリーギヤを介したギヤ駆動を組み合わせたもの。純粋なベルト駆動のみから、ベルト&ギヤ駆動へと連続可変させていきます。
この新CVTの主な狙いは中高速域の巡航燃費の向上ですが、ワイドな変速幅を持てたことによって、結果的に低速域でのさらにきめ細かい変速制御にも貢献しているようで、これも「より大きな排気量のNAのよう」な自然なフィールに一役買っています。
剛性の高い新型プラットフォームにセットされるのは、新設計のフロント・ストラット/リヤ・トーションビームのサスペンション。
乗り心地は柔らかめで良好なもの。コーナリング時のロール量は小さくないのですが、その過程の動きが自然でぐらつく感覚がなく、運転者に安心感を与えてくれるものでした。
今回試乗したロッキー G・FFの価格は200万2000円。
衝突回避支援ブレーキ機能などの安全装備はもちろん、全車速追従機能付のアダプティブクルーズコントロールやレーンキープコントロール等を標準装備しつつのこのプライスはかなりバリューがあると言っていいでしょう。
ちなみにダイハツ ロッキー全体の価格帯は170万5000円から242万2200円となっています。
(写真・動画・文/ウナ丼)