エスクード、RAV4、CR-V…4駆の新しい楽しみ方! こんなに面白いダートレース発見 【TDA(タクティカル・ダート・アタック)】

■ダートラとレースのいいトコ取り!

「クロカン4駆って、悪路には強いかも知れないけど、スピードは出ないしコーナリングも苦手では?」

そんな先入観を根底から打ち崩すとともに、4駆の新しい楽しみ方を切り拓く競技として注目を集めているのがタクティカル・ダートアタック(以下、TDA)です。

ルールはいたってシンプル。先行、後追いという役割を決めた2台の車両が5秒の間隔を開けて出走。走行後に前後を交代し、再び出走。2本の走行を終えた後、スタート時の5秒間隔をトータルでどれだけ縮めているか、あるいは引き離したかによって勝敗が決められるというもの。

レースのように追い越すことはレギュレーションにより禁止(失格扱い)されていますが、カウンターをあてながら逃げる先行車を追いかける後追い車との熾烈なバトルは文字通り、手に汗握る面白さです!

スピードパーク恋の浦
開催場所は福岡県福津市のスピードパーク恋の浦。全日本ダートラにも使用されている、起伏に富んだテクニカルなコースだ
参戦車両
競技はレースのような多数混走ではなく、2台のみで争われる。写真は本戦前の練習走行時のもの

●エスクード、RAV4、CR-Vなど、意外なクルマが活躍

クラス区分は、ナンバー付き1600cc以下のガソリン車とディーゼル車が対象の「リミテッド」、1601ccを超えるガソリン車および改造車を対象とする「アンフィニ」の2種類。このためジムニーやパジェロミニなど軽自動車と、デリカやパジェロなど排気量やパワーに勝る普通車が対戦することも珍しくありません。

とはいえ、スペック上の数値が大きな車両が有利とは限らないのがこの競技の面白いトコロ。またエスクードやRAV4、CR-Vといった、どちらかと言えば街乗り4駆的なイメージが強いモデルが、意外にタフな戦闘力を発揮する姿も新鮮です。

レースシーン
TDAの基本ルール。まず2台の車両がスタートラインに。向かって右側(ジムニー)の先行車がスタートシグナルブラックアウトと共にダッシュ!
レースシーン
その5秒後に後追い車がスタート。長いようで短い5秒間。ワンミスでテールtoノーズ状態まで接近されるパターンも
レースシーン
走行後、今度はパジェロが先行側(右側)に。役割を交代し、同様のタイミングで戦闘再開。進行はトーナメント方式となっている
レースシーン
カジュアル4駆としてデビューしたRAV4だが、パワートレーンの設計は本格志向で、ハードなダート路面でその実力をいかんなく発揮

●イベントは年間4戦。来シーズンをお楽しみに!

年間4戦で争われるTDA。残念ながら今シーズンは11月10日に行われた第4戦をもって閉幕となりましたが、来年も全4戦での開催が予定されています。

また、「いきなり競技への参加はハードルが高いけど、一度自分のクルマでダートを走ってみたい」という方のために、練習走行のみの参加枠も設けられているので、ぜひ一度検討を。

その他、車両規定など競技参加に関する詳しい情報については、フェイスブック内の「Tactical Dirt Attack」を検索してみてください!

優勝マシン
第4戦のリミテッドクラス優勝車、JB33ジムニーシエラ。ドライバーの松原健二選手は遠路、福井県からの参加。年間ランキングでも2位をゲットした
アンフィニクラス優勝マシン
同じく、アンフィニクラスの優勝車、パジェロio。ドライバーの中村隆選手は、パジェロ・ロングでリミテッドクラスにも参加するほどのパジェロファンなのだ

(文:高橋陽介)

この記事の著者

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高橋 陽介

大分生まれ、博多育ち。幼少期にスーパーカーブームの直撃を受け、地方自動車誌を経てフリーライターに。初めての愛車は平成元年に購入したMR2。以後、スバルSVXやBMW-Z3・Mロードスターなど世間的にはマイナー扱いされている面々を乗り継ぎ、2022年、アガリの1台として私財を投げ打って996前期を購入。
車以外には「刑事コロンボ」や「マイアミバイス」、「007シリーズ」など海外ドラマや映画も大好物。
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