予想を超えるボディの堅さがもたらす、しなやかな動き【コペン GR スポーツ】

●どんな局面でもしなやかに動くセッティングはGRならではの味

ダイハツがラインナップする電動オープントップ採用の2シータースポーツカー・コペン。同社がDフレームと呼ぶ強化内部骨格構造によって、外装パーツは全てボルトオンとなっており、ドア以外は樹脂となっています。比較的容易にエクステリアの変更が行えるモデルです。

コペンGRスポーツのフロントスタイル
フロントバンパーが変更されています。またBBSのホイールはオリジナルのカラーです

今回、このコペンにトヨタガズーレーシングがプロデュースしたGRスポーツというモデルが追加されました。これは特別な内外装とサスペンションセッティングが施された車両です。

エクステリアでは、コペンローブをベースにフロントにGR特有のスクエア造形・大型バンパースポイラーを装着、リアにも専用のバンパースポイラーをセットしています。またBBSの16インチのホイールはGRスポーツ専用のカラーになっています。

コペンGRスポーツのリアスタイル
バンパーが専用品となります。またテールライトにもブラックの塗色が入ってます

前後バンパーを交換したことに加え、ボディ下面に整流効果の高いスパッツを採用したことで、車体にかかる揚力は10%低減されました。これは直進安定性に大きく寄与しています。

コペンGRスポーツのボディ補強
フロントに専用のブレースを追加しました。また後輪の手前には専用のスパッツを装着しています

エンジンに関しては64psを発揮する3気筒ターボエンジンで、これはベースとなったコペンと同一のものです。

今回この5MTモデルとCVTモデルに試乗することができましたので報告します。

コペンGRスポーツの走り
ボディ剛性が高まっており、快適な走りです

乗り始めてすぐわかるのはボディの硬さです。もともと現行のコペンは初代に比べて大幅にアップしたボディ剛性が魅力でしたが、このGRスポーツはさらに一段上にステップアップしています。

これはボディ床面にブレースを追加したことや、従来からある補強材についても形状を変更を行ったことなどが効いています。

スプリングとショックアブソーバーも専用のものです。入力に対して尖った反応を返すようなタイプではなく、常にしなやかに動いてくれるのが魅力です。

コペンGRスポーツのサスペンション
前後サスペンションは専用セッティングです

この、どんな局面でもしなやかに動くセッティングはGRならではの味といってもいいかもしれません。

ちなみに今回、電動パワーステアリングの制御にも変更が行われています。

空力やボディ剛性が改善されたことで、電動パワーステアリングによって安定性をフォローする(例えば直進時にセンタリング方向のパワーをかけるなど)必要性が低くなりましたので、そのぶんステアリング切り初めのフリクションが減り、よりクリアな操作感が演出できているのです。

コペンGRスポーツのシート
専用のレカロシートが装着されます

5速マニュアル仕様のほうには「スーパーLSD」というリミテッドスリップディファレンシャルギアが入っていることもあり、しなやかな中にもややレーシーな刺激ある走りを楽しめることができました。

コペンGRスポーツのインテリア
ステアリングホイールやブラックのガーニッシュが特徴です

コペンGRスポーツの価格は238万円(CVT)~243万5000円(5MT)となります。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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