解像度感高い走行感に注目! 新設定の6MTでゴキゲンな走り【トヨタ C-HR GRスポーツ試乗】

●みつ味ぐらい違うフィーリング。丁寧に足が動いて衝撃を吸収

トヨタのクーペ的フォルムが自慢のSUV、C-HR。このモデルにGRスポーツバージョンが追加設定されました。

今回、その1.2L直噴ターボ仕様をチェックすることができましたので報告します。

C-HR GRスポーツ
マイナーチェンジを迎えたC-HRに追加されたのがGRスポーツです

新設定されたGRスポーツは、マイナーチェンジを受けたC-HRをベースに、GRことGAZOOレーシングが内外装とサスペンションなどに手を加えたモデルとなります。

C-HR GRスポーツ
19インチの専用アルミホイールがセットされました

全長は4390mm、全幅は1795mm。全高は1550mmとなっています。フロントにスクエアな開口部が特徴の専用バンパーが採用されたところが注目点です。

ほかにも、19インチの専用アルミホイールや、GRのロゴ入りフロントキャリパーなどのチェックポイントがあります。また、前後左右にGRエンブレムが追加されています。

C-HR GRスポーツのインテリア
専用のステアリングホイールやダークシルバーの加飾がポイントです

インテリアでは専用の本革巻き小径3本タイプのステアリングが採用されました。メーターやエンジンスタートスイッチなども専用品となっています。なお、GRスポーツだけに限らずC-HR全車において、最新モデルではディスプレイオーディオが標準装備となっています。

GR専用のバケットシートも採用されています。シートバック部分にはGRのロゴが入っています。

C-HR GRスポーツのシート
専用のロゴが入ったシートが採用されています

このGRスポーツに搭載されている1.2L直噴ターボエンジンは、マイナーチェンジ前のC-HRにも設定されていたものとスペック的には同じで、最高出力116ps・最大トルク18.9Kgmになります。

C-HR GRスポーツガソリンエンジン
1.2Lの直噴ターボエンジンは116psです

ただしトピックとしてはトランスミッションに6MTが採用されたことにあります。

GRスポーツのトランスミッション
GRスポーツの1.2Lターボ仕様には6速マニュアルトランスミッションが組み合わされます

実際に運転してみると、最大トルクを1500rpmから4000rpmの間で発生する1.2L直噴ターボエンジンは非常にトルクフルで、早めにシフトアップしていっても十分以上の加速を見せてくれます。

C-HR GRスポーツのフロント
バンパーが大型のスポーティなものに変更されています

また、このトランスミッションはカローラスポーツなどでも採用されているiMTを導入。このシステムがあることにより、シフトチェンジ時にエンジン回転数等を調整してくれるためギクシャク感のない運転ができる仕組みとなっています。

ためしにややラフ気味にクラッチをつないでみたり、理想的な回転数から外したあたりでシフトチェンジを行ってみてもシステムがうまくその衝撃を吸収してくれるのがわかります。

サスペンションに関してはもともとC-HRの完成度は高いものでした。新世代プラットフォームの”GA-C”にセットされるフロントがストラット、リアがダブルウィッシュボーン式のサスペンションは、質感の高い走りを見せてくれるものだったのです。

C-HR GRスポーツのサス
サスペンションとショックアブソーバーも専用設計です

しかしこの、GRの手が入った足回りはひと味どころかふた味、いやみつ味ぐらい違うフィーリングです。

小さな入力に対しても丁寧に足が動いて衝撃を吸収してくれていることがよくわかります。このため荒れた路面を走っても不快感がありません。

また速度を上げてコーナーに入っていくときに感じるのは、ロール方向の動きが大変穏やかでかつ、一定の割合で増していくことです。スポーツモデルだからといって尖ったクイックさを演出することはせず、あくまでも繊細に作動させてやることを目的としているのがよくわかりました。

C-HR GRスポーツ フロア補強
ボディ下面中央には補強ブレースが入っています

このスムーズなフィーリングには、電動パワーステアリング機構の制御をGRスポーツ専用に書き換えていることも寄与しています。

C-HR GRスポーツ
電動パワーステアリングも専用のセッティングです

スポーツモデルと聞いて想像する方向性とは違い、より高級な乗り味にシフトしていたのがC-HR GRスポーツなのでした。今回試乗した1.2L直噴ガソリンターボ仕様のほか、1.8Lハイブリッドの仕様もラインナップされています。

C-HRハイブリッド仕様のエンジン
1.8Lハイブリッド仕様もラインナップされます

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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