●「5ナンバー」のニーズは強い? カローラアクシオの中古車市場をチェック
2019年9月にフルモデルチェンジを行ったトヨタカローラ/カローラツーリング。一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表する2019年10月の新車販売台数ランキングでカローラシリーズは2008年11月以来、約11年ぶりのトップとなり好調な滑り出しとなりました。
トヨタのクルマ構造改革であるTNGAに基づいて開発された新型カローラ/ツーリングは3ナンバーサイズのボディとなり走行性能が向上。さらに進化した運転支援システムの「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備し、クルマとトヨタスマートセンターが通信でつながり、安心・便利なサービスを利用可能となり、従来モデルより走りや安全装備そしてサービスのクオリティが飛躍的に向上しています。
世代交代となるフルモデルチェンジを行うと活発に動くのが中古車市場です。今回のフルモデルチェンジでカローラ/カローラツーリングへ進化しましたが、従来モデルのカローラアクシオ/フィールダーもグレードを絞って継続販売しています。
そこで、今回は5ナンバーサイズのカローラアクシオ/フィールダーの中古車の状況を調べてみました。
まずはカローラフィールダーです。2012年に登場した5ナンバーサイズステーションワゴンのカローラフィールダー。現在中古車の流通台数は約1450台で、平均価格は3カ月前が約128万円。そして今月が約130万円とやや値上がり傾向となっています。
さらに中古車の平均走行距離を見てみると、平均価格が底値の約122万円だったタイミングでは、平均走行距離は4.6万kmまで延びていたのですが、現在は4.2万kmまで減少しています。これは走行距離の少ない中古車が市場に出回ったということを表しています。したがってこの値上がり傾向は沈静化するのではないかと思われます。
一方のカローラアクシオですが、こちらは非常に気になる動きとなっています。流通台数は3カ月前の時点で約590台、そして現在は約650台と増加しています。
そして気になる平均価格の推移ですが3カ月前が約103万円でした。モデルチェンジを行った2019年9月〜10月も横這いで推移していたのですが、11月に入ったとたんにいきなり値上がりし、現在は約108万円まで値上がりしています。
カローラフィールダーと同様に中古車の平均走行距離を見てみると、こちらは約2.7万kmでほぼ横這いとなっていて、走行距離の少ない中古車が出回ったという形跡は見つかりませんし、走行距離の少ない未使用中古車も出回っていませんでした。
これはセダンを好むユーザーが3ナンバー化した新型カローラではなく、5ナンバーサイズのカローラアクシオの中古車を購入し相場が上昇していると考えられます。
さらに、詳しく見てみると2012〜2014年式という初期モデルの平均価格は約80万円でほぼ横這いで推移しています。しかし、2015年に内外装の変更とトヨタセーフティセンスCを設定したマイナーチェンジ後の後期型は値上がり傾向となっていました。
その中でも、1.5ハイブリッドW×Bは年式によって異なりますが、約15万〜約20万円の値上がりとなっています。また、2017年〜2019年式ではガソリン車の1.5G W×Bや1.5Gも値上がり傾向を示しています。
セダンタイプのカローラユーザーの中には、やはり5ナンバーサイズじゃないとダメという人がいて、ニューモデルではなく、5ナンバーサイズのカローラアクシオのハイブリッド車を選ぶという人が多くいることがわかりました。
(萩原文博)