ダートにはみ出しながら執念のオーバーテイク! WAKO’S 4CR LC500がシリーズチャンピオンを獲得【SUPER GT 2019】

●スーパーGT2019王座は17年ぶりにチームルマンのもとへ

3連休となった11月最初の週末、国内レースで最多動員数を誇るスーパーGTの2019シーズンシリーズチャンピオンを決める最終戦が開催されました。ツインリンクもてぎ(栃木県)には56,000人以上のモータースポーツファンが集結、決勝レース(11月3日)を固唾を呑んで見守りました。

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運命の決勝レースがスタート!

前日の2日に行われた予選では、シリーズチャンピオンの権利を持つ2台のレクサスLC500、#6 WAKO’S 4CR LC500がフロントローとなる2番手から、その6号車を7ポイント差で追う#37 KeePer TOM’S LC500がその後方4番手につけました。

そしていよいよ、53周後のチェッカーに向けてスタートが切られました。

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6号車は5番手までポジションを落とすが・・・
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7周目には23号車をオーバーテイク

するといきなりオープニングラップで、大嶋和也選手がドライブする6号車がポジションを3つ落としてしまいます。しかしその後はペースを取り戻し、7周目にはペースの上がらない#23 MOTUL AUTECH GT-Rをオーバーテイクしポジションを1つ戻します。この時点で37号車は2番手で15ポイント、6号車は8ポイントを加算し、合計では同ポイントとなる計算となります。

37号車は僚友36号車を、そして6号車は#17 KEIHIN NSX-GTをそれぞれ攻略しようと試みますが、お互い我慢のレースが続きます。

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36、37、17、6の順でレースが進む
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6号車は17号車を攻略できないままルーティンピットへ

レースが1/3を消化しピットウィンドウが開いた20周目、まず37号車が動きます。ニック・キャシディ選手から平川亮選手にドライバー交代しコースに復帰すると、その翌周にはトップを走る36号車とランキングトップの6号車が同時にピットイン。それぞれ関口雄飛選手と山下健太選手に交代しました。この一連のピット作業では3車の順位の入れ替えはありませんでした。

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GT500全車がルーティンピットを終えた時点で36号車がトップ、これに37、6が続く

レースも折り返しとなる26周目にはGT500全車がルーティンピットを消化。この時点では、トップから36号車、37号車、6号車という順位でした。

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僚友36号車を追いかける37号車
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32周目、ついに37号車がトップに!逆転チャンピオンなるか?

しかし32周目、ついに37号車平川選手が36号車関口選手を攻略。トップに立ちます。このままの順位でチェッカーを迎えると、37号車が6号車を逆転してシリーズチャンピオンとなります。

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レース前に談笑する関口、山下両選手
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このままでは逆転されてしまう6号車
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38周目の最終コーナー手前で2台は接触、グラベルを横切ってコースに戻ると・・・
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6号車が36号車を攻略し、シリーズチャンピオン獲得へ

このままでは終われない6号車山下選手は38周目、GT300車両の集団を抜きあぐねた36号車にダウンヒルストレートからの90度コーナーで仕掛け、サイド・バイ・サイドに持ち込みます。そのまま並走した2台は最終コーナー手前で接触。内側のグラベルに突っ込んでしまいますが、そのままの勢いで2台ともコースに復帰。ここで6号車がついに2番手にポジションアップを果たします。

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シリーズチャンピオン決定の瞬間!

レースは37号車がトップでチェッカーを受け、今シーズン初優勝。そして2位には6号車が入り、見事に2019シーズンのシリーズチャンピオンを決めました!

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喜びを分かち合う大嶋、山下両選手
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大嶋選手はGT500参戦以来11年目にして初めて、山下選手はGT500参戦2年目にしてのシリーズチャンピオン獲得となりました

チームルマンとしては2002年のエッソ・ウルトラフロー・スープラ以来17年ぶり、大嶋和也選手はGT500参戦から11年目にして初めてのシリーズチャンピオン獲得となりました。また、今シーズンでラストイヤーとなるLC500は4位に入った#38 ZENT CERUMO LC500までのトップ4を独占、有終の美を飾る結果となりました。

スーパーGT2019シーズンはこれをもって終了となりましたが、今年はDTMとの交流戦が今月22〜24日(富士スピードウェイ)に開催されます。まだまだ今年のスーパーGTは終わりません!

(H@ty)

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