シリーズ史上最も多いボディバリーションとなった4代目カローラ【新型カローラ登場記念】

●総合性能に優れた80年代をリードする高級大衆車として登場した4代目カローラ

2019年9月17日、通算12代目となる新型トヨタカローラが登場したのを記念して、50年以上に渡ってマイカーとして人気を誇っているカローラの歴史を振り返るこの企画。今回は1979年に登場した4代目カローラです。

4代目カローラ外観02
高級車に採用されていた丸型4灯式のヘッドライトを搭載

ソニーがポータブルカセットデッキであるウォークマンを発売開始したり、NTTの前身である日本電信電話公社が自動車電話サービスを東京23区で開始した1979年。4代目のカローラはこの年の3月に登場、バンは5カ月遅れの8月に登場しました。

開発にあたって、安全性や省資源・省エネルギーなど社会的要請に対応しながら、基本コンセプトを「総合性能に優れた80年代をリードする高級大衆車」としました。そして居住性、静粛性、走行安定性の追求、多様化する大衆車需要層への対応、国際商品としての十分な競争力の確保の3点を重視しているのが特徴です。

4代目カローラ外観03
クーペ系は角形のヘッドライトを採用
4代目カローラ外観04
リアサスペンションの形式が変更され乗り心地と走行安定性が向上

先代より直線的なボディデザインを採用し、ホイールベースは+30mm、トレッドを前/後で25/50mm拡大しているのが特徴です。ボディバリーションは2/4ドアセダン、ハードトップ、クーペ、リフトバック、2/4ドアバンの7種類と充実しています。

ヘッドライトはセダン/バン系には高級車に使用されることが多かった丸目4灯式のヘッドライトを採用。そまたクーペ系には角形の2灯式ヘッドライトを採用するなどモデルによって外観の差別化を図っています。インテリアでは一部グレードを除いて、フロントシートのヘッドレストが分離式となったのもポイントです。

4代目カローラ外観05
歴代カローラの中で最も多いボディバリエーションを誇る

搭載されているエンジンは1.3L直4OHV、1.5L直4OHV、1.6L直4DOHCの3種類でセダンとハードトップにも1.6L直4DOHCエンジンが搭載されています。さらに1979年8月には1.8L直4OHV、1982月には1.8Lディーゼル車が4ドアセダンに追加されました。

サスペンションはリアサスペンションが大きく変更され、従来の半楕円リーフスプリングから、ラテラルロッド付き4リンク/コイルスプリングとなり、乗り心地と走行安定性を向上。さらに、全車のフロントブレーキをサーボ付きのディスクブレーキを標準装備するなど走行し得能に磨きを掛けています。

4代目カローラ内装01
一部グレードでは分離式のヘッドレストを採用した

車両価格は1979年3月当時、セダンが71万8000円〜128万5000円、ハードトップが88万4000円〜132万6000円、クーペは84万4000円、リフトバックが85万4000円〜136万円と1.6L直4DOHCエンジンを搭載したGTは100万円以上という高額モデルでした。

この4代目カローラは歴代モデルで最もボディバリエーションが多いモデルでしたし、このモデルが販売されている1983年3月に生産累計1000万台を超えました。

(文:萩原文博、写真:トヨタ自動車)

この記事の著者

萩原 文博 近影

萩原 文博

車好きの家庭教師の影響で、中学生の時に車好きが開花。その後高校生になるとOPTIONと中古車情報誌を買い、免許証もないのに悪友と一緒にチューニングを妄想する日々を過ごしました。高校3年の受験直前に東京オートサロンを初体験。
そして大学在学中に読みふけった中古車情報誌の編集部にアルバイトとして働き業界デビュー。その後、10年会社員を務めて、2006年からフリーランスとなりました。元々編集者なので、車の魅力だけでなく、車に関する情報を伝えられるように日々活動しています!
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