メルセデス・ベンツの中核SUV「GLC」がマイナーチェンジ。力強い顔つきに変化し、パワートレーンの性能を強化【新車】

●最新のステアリングホイールや「MBUX」、安全装備を搭載

日本車メーカーも含めて最もSUVのラインナップが充実しているメルセデス・ベンツ。2018年に6300台を超えるセールスを記録するラインナップの中核モデルであるGLC/GLCクーペが、2019年10月3日にマイナーチェンジを受けました。

納車時期はメルセデスAMGモデルが2019年12月頃、その他のモデルは今年11月頃の予定です。

メルセデス ベンツ GLC
2019年10月3日にマイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツGLC

力強い顔つきになった外観は、クローム仕上げのアンダーガード、2本のパワードームが備えられたボンネットがSUVらしい存在感とパワーを表現。グリル内に特徴的なツインルーバーデザインが装備され、SUVらしさが強調されています。

メルセデス ベンツ GLC
GLC 300 4マチックの外観

また、AMGラインを選択すると、標準車と異なる台形型のグリルデザインになり、ダイヤモンドグリルとシングルルーバー、バンパー下部左右に配置された2本のフィンやシルバークロームのフロントエプロンが装着されるなど、スポーティさを高めたデザインを享受できます。

メルセデス ベンツ GLC
GLCクーペのリヤビュー

一方のリヤは、バンパーとエグゾーストエンドが一新されています。フルLEDリヤコンビネーションランプが同ブランドSUVならではのブロックデザインにより、印象的なライトシグネチャーを生み出しています。

一方のインテリアには、先進のデザインとデバイスが与えられ、スポーティかつ上質なデザインコンセプトを継承しながら、ダッシュボード中央にはナビやエンターテインメントシステムの表示画面になる10.25インチのワイドディスプレイを装備。

メルセデス ベンツ GLC
GLCのインパネ

ステアリングホイールは Sクラスと同じデザインの最新世代にスイッチ。手を放さずに、ナビの操作や車両設定などができる「タッチコントロール ボタン」「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」を設定するスイッチも用意されています。さらに、Aクラスから導入されている自然対話式音声認識機能を備えた、対話型イ ンフォテインメントシステム「MBUX」 も搭載され、音声操作でエアコンやナビ、オーディオなどの操作、設定が可能になっています。

さらに、最新世代の運転支援システムシステム が全モデルに標準化されたのもトピックス。機能が強化された「アクティブ ブレーキアシスト (歩行者/飛び出し/右折時対向車検知機能付)」は、対向車線を横切って右折しようとする際に、対向車線を直進してくる車両と衝突する危険がある場合、10km/h以内であれば自動ブレーキが作動。対向車の検知は、フロントの長距離レーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラで行われます。

メルセデス・ベンツ GLC
2.0L直列4気筒クリーン標準仕様には、ディーゼルターボと、2.0L直列4気筒ターボエンジンを設定

パワートレーンは「GLC 220 d 4MATIC」にEクラスにも搭載済みの最高出力194PS(143kW)・最大トルク400Nmを発生する、2.0L直列4気筒クリーンディーゼルターボエンジンが搭載されます。従来型のクリーンディーゼルエンジンより高出力化しながら、振動、騒音も低減。また、排気浄化にも注力して開発されていて、欧州において導入されているRDE(実路走行試験)規制に適合します。

「GLC 300 4MATIC」には、2.0L直列4気筒ターボエンジンを搭載。ツインスクロールターボチャージャーと可変バルブリフトシステム「CAMTRONIC」が採用されていて、低回転から高回転まで伸びやかな加速が可能だそう。従来の「GLC 250 4MATIC スポーツ」よりも最高出力は47PS(35kW)アップの258PS (190kW)、最大トルクも20Nm向上し370Nmまで増強されています。

トランスミッションは全車9ATで、「GLC 220 d 4MATIC」 と「GLC 300 4MATIC」 には、前後「31:69」の固定トルク配分になる4MATICを採用。

AMGモデルのエンジンも強化されています。「メルセデスAMG 43シリーズ」は、ターボの大型化と制御の改良により従来モデルより23PS(17kW)高出力化され、最高出力は390PS(287kW)まで向上。

メルセデス ベンツ GLC
4マチックは前後31:69の固定トルク配分になる

「メルセデスAMG 63シリーズ」には、以前から採用されている縦にルーバーが入ったAMG専用ラジエターグリルが装備され、インテリアには最新のAMGデザインのステアリングホイールが用意されます。また、高性能エンジンのパワーを四輪に最適配分するメルセデスAMGによる新しい四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」を搭載。前後トルク配分が「50(前):50(後)」から「0(前):100(後)」の範囲で可変トルク配分され、ハイパワーを四輪へ最適に配分されます。

発進時はもちろん高速走行、ハイスピードコーナリング、そしてコーナーの立ち上がり加速などにおいて絶対的な安定性を誇り、思いのままのドライビングを楽しむ ことができます。また、「電子制御AMGリミテッド・スリップ・デフ」が装備され、走行状況に応じてロッキング機構を電子制御することでトラクションを高めることができます。

価格はGLCが6,900,000 円〜14,870,000円。GLCクーペが7,210,000円〜15,190,000 円です。

(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、メルセデス・ベンツ)

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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