●パブリカとコロナの中間を狙って登場した大衆車の本命
2019年9月17日、通算12代目となる新型トヨタカローラ/カローラツーリングが登場しました。そこで50年以上に渡ってマイカーとして人気を誇っているカローラの歴史を振り返ってみましょう。
まずは、1966年に登場した初代カローラです。
高度経済成長まっただ中の「マイカー元年」と言われた1966年11月にトヨタカローラは登場します。開発を担当したのは、政府が発表した「国民車構想」にマッチしたパブリカや、ヨタハチの愛称で現在もファンの多いトヨタスポーツ800を担当した長谷川龍雄氏でした。
初代カローラはコンパクトカーの「パブリカ」とミドルセダン「コロナ」の中間に設定したモデルで、当時トヨタの技術陣が数年の歳月を費やし、技術を結集して送り出した大衆車の本命モデルといえる5人の乗りの小型乗用車です。
外観デザインは日本人デザイナーによる独自のスタイルで、ヘッドライトは豹の目をイメージさせます。またリアはセミファストバックを採用し、シャープなスタイリングとなっています。
搭載されているエンジンは1.1L直列4気筒OHVで最高出力60ps、最高速度140km/hなど当時の1.5L車に匹敵するパフォーマンスを発揮。また同じクラスの欧州車のスペックを上回る高性能を実現しています。1969年に行われた改良でエンジンの排気量を1.2Lに拡大し性能をさらに向上させました。
トランスミッションは4速MTのみでしたが、1967年に一部モデルに2速ATを追加しています。
デビュー当時設定されているグレードはデラックス、スペシャル、スタンダードの3種類で、車両本体価格は43万2000円〜49万5000円(東京)。セダンのほかバンも設定されていました。
ひと足先に発売された日産サニー1000とともに日本に本格的なモータリゼーションをもたらした記念すべきモデルだったのです。
(文:萩原文博、写真:トヨタ自動車)