●ホンダ・ミニバン初となるステップダウンシフト制御を盛り込んだCVTを搭載
コンパクトミニバンのホンダ・フリードは、日常使いからロングドライブまでファーストカーとしてチョイスされることが多いはず。2019年10月18日のマイナーチェンジ後モデルでは、走りと安全装備もアップデートされています。
ガソリンのCVT(無段変速オートマチック)に、ホンダ・ミニバン初となるステップダウンシフト制御を盛り込むことで、Dレンジ・Sレンジでの走行時にシチュエーションに応じてエンジンブレーキが掛かることで、減速のコントロールがしやすくなっています。
さらに、コーナーの手前でアクセルを戻すと、制御によるシフトダウンが行われ、旋回中はエンジン回転数が必要以上に下がってしまうことなく回転数をキープし、コーナー出口から素早いレスポンスとスムーズな加速が実現したそう。
ハンドリングの向上もトピックス。電動パワーステアリングであるEPSのセッティングを変更し、街中での取り回しのしやすさはそのままに、高速道路では直進安定性を高め、レーンチェンジでは安心感をより抱かせるしっかりした操舵感が得られるようになったそう。少数意見ではあるものの、高速域では少し軽すぎるというパワステのしっかり感が増したと考えてよさそうです。
パワートレーンは、ガソリン車が排ガスクリーン化、ハイブリッドは燃費向上と排ガスクリーン化が盛り込まれていて、新燃費基準の「WLTCモード」に対応。全車で平成30年排出ガス基準75%を達成しています。主なメニューは、ハイブリッド(1.5Lエンジン)のインテークポートの高流動化、燃焼室のコンパクト化、ノッキング抑制などにより燃焼技術の向上が図られています。
また、全車エンジンにフリクション低減、エンジンブロックの冷却強化、排ガス性能向上としてキャタ(触媒)の制御データ制定、触媒貴金属の増量などが盛り込まれています。
安全装備では、先進運転支援システムの「ホンダ・センシング」がバージョンアップ。アダプティブクルーズコントロール(ACC)の加速フィール向上により、追従走行時から加速に移る際の移行時間短縮が図られたそう。
さらに、標識認識機能として、日本語と英語併記の標識(STOP表記)に対応。また、駐輪場などで多いアクセルとブレーキペダルの踏み間違い事故対策として、従来から対応していた前進時に加えて、リヤにソナーを追加することで、バック時の後方誤発進抑制機能が追加されています。ほかにも、前側に突っ張りが付くレッグサポート付ISO-FIXチャイルドシートを新設定。
多彩なシートアレンジ、バリエーションを持つフリード。今回新たに「クロスター」が追加される共に、3列7人乗り(ベンチシート)のガソリンエンジン仕様に待望の4WDを追加。雪国などのユーザーニーズに応えています。
(文/塚田勝弘 写真/長野達郎)