ホンダeを正式発表。価格は約350万円(補助金込み)で意外に安い?【フランクフルトモーターショー2019】

●ホンダeはハイパワーも魅力。新しい価値を提供できるか?

「これ欲しい!」という人がボクのまわりにも何人かいる、ホンダの新型電気自動車『ホンダe』。フランクフルトモーターショーではついに市販仕様が正式発表されたわけです。

実は、ジュネーブショーで展示した「プロトタイプ」とはフロントグリルが違う

EVといえば気になるのがその走りの性能や航続距離ですが、ボクのまわりの「欲しい!」と言っている人が注目しているのはそこではないみたい。なんともいえない、ユーモラスなスタイルがいい、って口をそろえて言います。つまりは「電気自動車かどうかという以前に、形が素敵」というわけですね。

余計な装飾のないシンプルでクリーンなボディは、丸い目玉(ヘッドライト)がパッチリしていて、愛嬌抜群。かつて日産が販売した「パイクカー」にも通じる親しみやすさだと思います。

ルーフは黒く塗られている、Honda e

そんなホンダe、最高出力は154psあり、最大トルクはなんと315Nmと、ガソリン自然吸気エンジンでいえば排気量3Lクラスです。小さいボディなのになかなかの強心臓。0-100km/h加速は8秒とのこと。後輪駆動だから、走りの楽しさも期待できないわけがありません。

航続距離が気になりますか? 公表された値は“220km”。いまさら220kmなんて短い……と思ったアナタに聞いてほしいのは、航続距離を伸ばすことだけがEVの正義ではないということ。航続距離を伸ばすにはバッテリーを大きくせねばならず、すると車両重量が重くなってしまう、それで効率は落ちてしまう……というサイクルになりがちなのです。

鮮やかなイエローもあるが、レッドは日本専用色となるようだ

ホンダeは街中を移動する「シティコミューター」と割り切ったことで、航続距離を伸ばすことよりも小さな車体による扱いやすさや運転する楽しさを実現するという考え方なのです。

欧州で用意されるボディカラーは5色

やっぱり価格が気になりますか?

発表された価格は、補助金を含めてドイツでは2万9470ユーロとのこと。日本円で350万円といったところですね。日本でも発売されるとのことですが、日本ではいくらくらいでしょうかね?

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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