●スポーツカーメーカーなのに、初のEVは4ドア?
ポルシェから、同社初のEV(電気自動車)となる「タイカン」が発表されました。グレードは「ターボ」と「ターボS」なのだそうです。
「ターボチャージャーどころかエンジンも載せてないのにターボかよ!?」という気がしないでもないですが、まあ「ターボ」はポルシェの中で伝統的にハイパワーモデルであり「EVでもやっぱりハイパワー」という決意表明といえるのかもですね。
パワートレインはモーターを前後に組み込む4WDで、「ターボ」は最高出力680psで0-100km/h加速は3.2秒、高速距離は最大450km(WLTP)だそうです。ひときわハイパワーな「ターボS」はそれぞれ761ps、2.8秒、そして412km。最高速度はどちらも260km/hとのことなので、アウトバーンの速度無制限区間でもほとんどのクルマに追いつかれることはないでしょう(ただし速度を上げるとあっという間にバッテリーが減りそうですが)。
ところで気になったのが、そのボディ形状が4ドアサルーンだったこと。実はフランクフルトモーターショーの直前にポルシェミュージアムを見学してきたのですが、その展示を見て強く再認識したのが「ポルシェの歴史はレーシングカーと911の歴史」だということです。しかし、新しい時代の扉を開くことになるタイカンが、911のようなスポーツカースタイルではないのが興味深いです。
これは「もうスポーツカーイメージから決別する」という意味なのか、それとも「熱狂的な911ファンを刺激しないように、911とはまったく関連のないクルマにした」のか、それとも「特に意味はない」なのか。果たしてどうなのでしょうか?
もしかすると、世界最大のEVマーケットになる(はずだった?)中国では911があまり好まれないので、あえて外したということなのかもしれません。果たして?
(工藤貴宏)