「みんなが思っているより、これ大変ですよ!」初日を走り終えた川畑真人がホンネをポロリ【サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019】

■ドリフトチャンピオンがオフロードのクロスカントリーラリーを走ると?

●FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESは俳優の哀川翔さんが監督

サン・クロレラ アジアクロスカントリーラリー2019は、2019年8月10日の「セレモニアルスタート」、いわゆるお披露目のためのスタートを終え、11日に本当のラリー競技としてスタートしました。競技は、一般道を走る移動区間の「リエゾン」から、タイムを競い合う「SS(Special Stage)」へと入りアジアクロスカントリーラリーでは、農道や林道、または道の範疇に入らないところまで決められたコースを走ります。それを誰でも走れるような簡単にしすぎず、かと言って誰も戻ってこれないほど難しくせず、というのがオーガナイザー側の腕の見せ所でもあります。

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ラリー初挑戦とは思えない川畑真人選手の渡河での走り_3/5

日本から参戦する注目の「FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES」は俳優の哀川翔さんが監督を務めるチーム。今年はドリフトチャンピオンの川畑真人選手がそのハンドルを握りますが、昨年は翔さん自らがドライバーとして参戦。私も同行取材しましたが、芸能人のお飾り参加とかでは決して無く、スタートからゴールまで毎日真剣に走ってる姿に感心したほどです。

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ドリフトで鍛えた川畑選手による道幅いっぱいに使ったコーナリング_1/3

ラリーの類はまったく初めてという川畑選手でしたが、初日のSSを走り終えたゴールへと到着した瞬間にお話を聞くことに成功しました。

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●「いやー、だいぶ大変ですよ」

−−−「初めてのクロスカントリーラリー体験、どうでした?」

川畑選手「いやー、これ、みんなが思ってるのよりだいぶ大変ですよ。走り始めてすぐに、すごい道が悪くて、これが一日何時間も続くと思うと大変やなぁ、っていうのを正直思いました。」

ゴール直後の川畑真人
初日レグ1ゴール直後の川畑選手

−−−「走り方の面では、想像と違ってましたか?」

川畑選手「ただ速く走らせるとクルマが壊れるのわかるんで、まっすぐだからスピード出せるのに穴ぼこがあるからスピード落とさなあかん、っていうもどかしさが続くんやなぁってわかりました。それでも速いドライバーは速く走らせているので、クルマをいたわりながら平均速度を保つという難しさを痛感しましたね。

−−−「監督で経験者の翔さんからのアドバイス『穴に気を付けろ』は役に立ちましたか?」

川畑選手「『穴に気を付けろ』は走って1分でわかりましたね(笑)。それでも速い人は穴があってもクルマをいたわりつつ速く走っている。穴があるのはわかっててもそれがどれほどの大きさの穴なのか、という判断も重要になりますね。」

−−−「その穴の大きさとかの判断はコドライバーでなくドライバーである自分の判断ですか?」

川畑選手「穴があるとか、川があるとかはコマ図に書いてあってコドラが教えてくれるんですけど、その大きさなんかは自分の判断ですね。その判断ミスがないようにとか、岩の部分でハンドルを切ってタイヤを切らないとかは重要になってきますね。」

−−−「川畑さんが得意とするドリフトの走りと共通するところはあるんでしょうか?」

ゴールその後の川畑真人
ゴール後、クルマを降りて一息ついた川畑選手

川畑選手「まったくないですね(笑)。けれど、やっぱり滑った時はコントロールできるので、ドリフトやっててよかったなと思いますね。」

−−−「タイヤに関しての感想は?」

川畑選手「今回トーヨータイヤのOPEN COUNTRY M/Tを履いているんですが、改めて感じたのはブレーキがよく効きますね。それはドライでもマッドでも。なのでタイヤに関しての不安はまったくないですね。

−−−「明日のレグ2に向けて、やってみたいことはありますか?」

川畑選手「もしできるようだったら後ろの車高を上げてみたいですね。今、底付きしてるんで。それと、全然違いますけど、沿道で子供達がすごい観てるんですね。その村の子供達の声援に答えるのが気持ちいいですね。手を振ってくれてるところに(クラクションで)ピピピピーとか答えるのが他にない経験ですね。こういう世界もあるんだなって思いました。」

−−−「では、明日もその声援に答えるようガンバッてください!」

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●運転の上手い人の横は乗ってて楽!

川畑選手の助手席でコドライバーを務めるベテランの深野昌之さんにもお話をお聞きしました。

コドライバー深野昌之
ラリー界のベテラン、コドライバー深野昌之選手

−−−「川畑選手とコンビを組むのは初めてだと思いますが、ドライバーとしての第一印象はどうでしたか?」

深野選手「安定してます。すごい運転が上手だから安心してられますね。コントロールがちゃんとできるから、少しオーバーで入っても全然大丈夫ですね。」

−−−「深野さんはいろんなかたの助手席に乗っていると思いますが、川畑選手はどんなドライバーですか?」

深野選手「慎重かつ大胆。オフロード初めてだっていうけど、最後の方はだいぶ飛ばしてたね。」

−−−「さすがドリフトのチャンピオンだな、と思えるようなシーンはありましたか?」

笑顔で答える深野昌之
初日の川畑選手の走りには安心したという深野昌之コドライバー

深野選手「運転が上手い人の横に乗っていると自分がすごく楽。周りを見なくていいから、コマ図とトリップに集中できます。クルマが安定してるからね。」

−−−「明日に向けて、川畑選手に期待するところは?」

深野選手「あんまり無理をしないように、自分のペースで走ってほしい。どうしてもドライバーさんって、前にクルマが走ってると追いかけようとするんで。」

−−−「ありがとうございました!」

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●チャンピオン「ナタポン」強し! アドベンチャーチャレンジクラスにインドのアンバサダーヒンダスタン!!

第1レグを終えた時点で、総合1位は同じTOYO TIRES OPEN COUNTRY M/Tを使用する昨年のチャンピオン、タイのナタポン選手(The Land Transport Association of Thailand-Isuzu)がやはり安定の強さを見せています。

Natthaphon_ISUZU V-MAX_02
走行順も1番で、あっという間に駆け抜けるナタポン選手のIsuzu D-MAX

その他、日本勢では、完全プライベーターで参戦の「Garage MONCHI JAPIND」がジムニーで総合優勝おも狙っており、現在、クラス2位、総合12位につけています。

Garage MONCHIのジムニー01
Garage MONCHIのジムニーの走り

川畑選手のFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESはクラス4位、総合17位となっていますが、初経験のオフロードラリーにしてはまずまずのスタートではないでしょうか。これからに期待しましょう。

TOYOTA LANDCRUISER PRADO FLEX_TOYO TIRES_09

また、SSを走らないアドベンチャーチャレンジクラスに参加している「IKAHO Toy Doll Car Museum」のヒンダスタン・アンバサダー(Hindustan AMBASSADOR)というインド車にも注目です。クラシックカーサイズのタイヤを探していたら、なんとジムニー用サイズのTOYO OPEN COUNTRY A/Tだったそうです。こちらも後ほどインタビューに伺います。

Hindustan AMBASSADOR_01
Hindustan AMBASSADORは英国で生まれ、インドで生産されるようになった車両
Hindustan AMBASSADORのTOYO OPEN COUNTRY A/T
Hindustan AMBASSADORにはジムニーサイズのトーヨーオープンカントリーA/Tを装着

(文・写真:clicccar編集長 小林和久)

 

この記事の著者

小林和久 近影

小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務めた。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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