ボルボ・V60のPHEVの実燃費は2割増し。ガソリン車との実質的な価格差100万円をどう考える?

●PHEV購入には減税や補助金などの優遇があり、その額は50万円ほど

ボルボのミドルクラスステーションワゴン「V60」。そこへ追加されたPHEV(プラグインハイブリッド)の新パワートレインが「T6 Twin Engine AWD」です。果たして、その魅力はどこにあるのでしょうか?

端的に言ってしまえば、最大の魅力は価格。

これまでボルボのPHEVに用意されていた仕様は「T8 Twin Engine AWD」というタイプで、V60の場合は819万円でした。しかし新たに追加された「T6 Twin Engine AWD」はモーター出力や4WDの駆動方式といったメカニズムが共用で、エンジンの基本構造も同じままで出力を落としただけ。それなのに上級装備グレードの「インスクリプション」でも749万円なのだから、コスパが素晴らしい。

「T8」の318psに対して「T6」では258psと少しエンジンパワーが落ちるだけで装備水準がほぼ変わらず70万円も安くなるのだから、「お買い得と」言わずしてなんと表現するべきか……ってレベルですよこれは。

まあ、700諭吉オーバーなので絶対的な価格としては気軽に手が届く範囲とは言えない……というのはひとまず置いといて(泣)。

細かくみると「T8 Twin Engine AWDインスクリプション」に対して「T6 Twin Engine AWDインスクリプション」はタイヤ&ホイールが1インチ小さな19インチだったり、ガラスサンルーフが非装着だったり、ダッシュボード表面が人工レザー仕上げではなかったりするのですが、70万円も安くなるのだからそのあたりは許容範囲。気軽に許せちゃいます。

どうしても欲しいとなったら、サンルーフや人工レザー張りのダッシュボードはオプションで選ぶこともできますしね。

そして「T6 Twin Engine AWD」の注目ポイントのもうひとつが、これまで用意されていた上級グレード「インスクリプション」だけでなくベーシックな装備仕様グレードの「モメンタム」も選べるようになったこと。

シートがレザーではなかったり、その電動調整機能がオプションだったりと装備面ではそれなりの差がありますが、とはいえ「インスクリプション」に対して60万円も安い599万円というプライスは魅力的。「T6 Twin Engine AWDモメンタム」はボルボのハイブリッドモデルのなかでもっとも安いモデルであり、それをグッと身近な存在にしてくれるグレードなのです。存在意義は大きいですよ、これは。

ちなみに、V60のPHEV「T6 Twin Engine AWDモメンタム」と、ハイブリッドではない「T5 モメンタム」(499万円)の価格差は160万円。そのうち50万円ほどは減税や補助金で穴埋めできるので、実質的な価格差は100万円ちょっとといったところでしょうか。単純に考えれば決して安い差額ではありません。

しかし、モーター走行による滑らかな走り、充電をうまく活用すれば走行コストを下げるだけでなく給油回数を減らせる実用面のメリットを考えれば、使い方によってはその価格差に見合う価値を見出せるかもしれません。

もちろんPHEVなので外部充電をしなくても、ハイブリッドカーとして使えます。ガソリンを入れるだけでロングドライブができます。

実燃費は、外部充電をしなくてもガソリン車に比べて2割ほどいい印象。さらにリセールバリューなどを考えれば、実際の価格差はもっと少なくなることでしょう。

(工藤貴宏)

この記事の著者

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工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
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