タイはブリーラムのチャーン・インターナショナルサーキットで開催されたスーパーGT第4戦決勝。
GT500クラスは、ポールポジションからスタートした6号車 WAKO’S 4CR LC500が見事なポール to ウィン。2013年のもてぎ戦以来6年ぶりの優勝を飾りました。
すでに優勝を予感していたとは思いませんが、スターティンググリッドは終始和やかなムードで、さすがポールポジションと言った感じです。
レース展開はすべての歯車が噛み合った素晴らしいもの。
その中でも特筆はトップ争いの2台が同時にピットインした時です。WAKO’S 4CR LC500がコンマ数秒を削り取るような迅速なピットワークでライバルの前でピットアウト。実質トップでコースに復帰したのでした。
スタートドライバーだった大嶋和也選手はピットガレージのモニターでハンドルを託した山下健太選手の走りを見守ります。
残り数周からドッグファイト状態となっていたWAKO’S 4CR LC500と37号車 KeePer TOM’S LC500。しかしラスト2周でGT300のトップ争いを追い抜いたときにWAKO’S 4CR LC500に若干のリードが生まれます。
ファイナルラップとなり、居場所をサインガードに移して山下選手の走りを見守る大島選手。
最終コーナーの手前でいよいよ勝ちを確信した大島選手はポジション1を意味するP1と表示されたサインボードを自ら携え山下選手を出迎えます。
山下選手がピット前を通過するとき、大嶋選手は大歓声で山下選手を迎えました。
優勝の喜びを分かち合う大嶋選手と脇阪寿一監督。
3位でチェッカーを受けた19号車WedsSport ADVAN LC500の坂東 正敬監督も祝福に訪れます。
ブリヂストンのキャップを受け取りパルクフェルメへと歩き出す大嶋選手。
ピットガレージではレースクイーンの皆さんも1位のポーズで喜びを表します。そして美しい感動の涙。
感動の涙といえば脇阪監督の涙ぐむ様子も。
そしてパルクフェルメでは山下選手も涙!山下選手はGT500クラス初優勝となります。
表彰台の一番高いところへ6年ぶりに帰ってきたLEXUS TEAM LEMANS WAKO’S。現在の脇阪監督体制となってから初めての優勝となります。
そしてシャンパンファイト。何かを予感したのか山下選手が逃げ回ります。そこをすかさず追いかけるニック・キャシディ選手。
レース後半でニック選手を抑えきったことへの健闘を称えるためなのか、はたまた抑えられたお返しなのかは定かではありませんが、シャパンファイトの場外乱闘は大いに盛り上がっていました。
そんな表彰台の横では坂東監督が脇阪監督へシャパンファイトならぬウォーターファイト。脇阪監督の顔面に完全にヒットしています。
この優勝で2019シーズンのランキングでもトップに立ったWAKO’S 4CR LC500。
SUPER GTはチームの総合力で戦うものであるということを教えてくれたWAKO’S 4CR LC500の優勝だったのではないでしょうか。
次戦はSUPER GT 2019シリーズ最長にして最も暑いレースと言われる富士500mile。富士ではどんなドラマを見ることが出来るのでしょうか。
(写真・文:松永和浩)