【スーパーカブHISTORY・2013年〜2019年】クロスカブデビュー! そして国内生産に回帰した現行型登場

■ホンダ・スーパーカブ60年の歴史を辿る【その6】

1958年の登場以来、長きに渡って進化を続けながら、現在も多くのユーザーから愛されている不朽の名車、スーパーカブ。本企画ではその60年にわたる歴史を辿っていますが、今回はいよいよ最終回。2013年の初代クロスカブから現行型モデルの登場に到るまでを紹介していきます。

●クロスカブを新発売(2013年5月)
アウトドアテイストのニューカマー

新型スーパーカブ110をベースに、アウトドアスタイルを取り入れたクロスカブが新発売されました。「THE CROSSOVER A LIFE AND PLAY」をコンセプトとして、タフなイメージのヘッドライト周りや幅広でアップライトなハンドルを採用。サスペンションはストローク量の大きいスーパーカブ110プロのものを、リヤブレーキのドラム径を1300mmに拡大するなどして走行性能を向上させていました。

(クロスカブ[ファイティングレッド])


(クロスカブ[パールコーンイエロー])

●リトルカブ55周年スペシャルを限定発売(2013年11月)
真っ赤なホイールが注目度バツグン

スーパーカブの生誕55周年を記念してリトルカブに特別なカラーリングが施された限定車が発売されました。車体色はブラックとファイティングレッドの2色で、同時に前後ホイールリムを赤く、ブレーキハブを黒く塗装しています。また、クロームメッキされたサイドカバーには専用ステッカーが貼られました。

(リトルカブ55周年スペシャル)

●クロスカブに新色を追加(2014年2月)
リヤキャリアがメッキになった

アウトドアスタイルを取り入れたクロスカブに、ボスグレーメタリックの車体色が新たに取り入れられました。レッグシールドやリヤフェンダーなどは従来モデルと同じブラックですが、リヤキャリアを新たにメッキとしてイメージを刷新していました。

(クロスカブ[ボスグレーメタリック])

●リトルカブ・スペシャルを限定発売(2015年2月)
洗練されたカラーコーディネイトをまとう

2009年に新型スーパーカブ110が発売され、従来のモデルに大きな変更がなくなっていたリトルカブですが、新たなカラーリングが施された限定車が受注生産方式で発売されました。セル付きモデルを対象にパールコーラルリーフブルーの車体色と赤白ツートーンシートが採用されました。

(リトルカブ・スペシャル)

●スーパーカブをモデルチェンジ(2017年10月)
丸目が復活して信頼性&実用性も向上

2009年に新型となったスーパーカブは中国生産モデルになりましたが、これを国内生産に切り替えキャブレター時代のようなスタイルに変更するモデルチェンジが実施されました。丸型ヘッドライト(LED式)に改められたフロントスタイルや、脱着可能なサイドカバー(自賠責保険など書類を入れるのに便利)は往年のモデルがモチーフになっています。また、エンジンに交換式オイルフィルターを追加してメンテナンス性を向上させるとともに、シフトドラムをニードルベアリング支持としたことで節度ある変速フィールも実現していました。

(スーパーカブ50[パールシャイニングイエロー])


(スーパーカブ50[アーベインデニムブルーメタリック])


(スーパーカブ110[グリントウェーブブルーメタリック])

なお、大型バスケット&リヤキャリアを装備した「スーパーカブ50プロ」「スーパーカブ110プロ」も同時にモデルチェンジ。駐車時に便利なフロントブレーキのロック機構、強化サイドスタンド、エンジン停止時でもキーオンで使用可能なポジションランプなど、独自の装備が与えられています。

(スーパーカブ110プロ)

●クロスカブ110をモデルチェンジし、50を追加発売(2018年2月)
ハンターカブのテイストを巧みにアレンジ

スーパーカブが国内生産に切り替わると、アウトドアスタイルのクロスカブもモデルチェンジして国内生産モデルに生まれ変わりました。スタイルではレッグシールドを廃止してLEDヘッドライト、スリット入りマフラーガード、ブロックタイヤを採用して、堅牢かつ軽快なイメージに刷新されています。新たにタンデムステップや可倒式ステップも標準装備されました。また、スーパーカブ50をベースにしたクロスカブ50も新登場しました。

(クロスカブ110[パールシャイニングイエロー])


(クロスカブ110[カムフラージュグリーン])


(クロスカブ50[マグナレッド])


(クロスカブ50[クラシカルホワイト])

●スーパーカブC125を新発売(2018年6月)
スマートキーやディスクブレーキなど豪華装備が自慢

初代C100を彷彿とさせる特徴的なデザインを取り入れたスーパーカブC125が新発売されました。スーパーカブ110をベースに構成部品の剛性を高め空冷SOHC単気筒125ccエンジンを新開発して搭載しています。ハンドルからフロントフォークまでの可動部全てを一体の外観としたユニットステアを新採用して、切削加工仕上げの専用アルミホイールやフロント・ディスクブレーキとともに上質感を追求したスタイリングになっています。

(スーパーカブC125[パールニルタバブルー])

●スーパーカブ50・60周年アニバーサリー(2018年6月)
ナイセスト・ピープルのイラストが現代に蘇る

スーパーカブ生誕60周年を記念して特別なカラーリングを採用したスーパーカブ50・60周年アニバーサリーとスーパーカブ110・60周年アニバーサリーが受注期間限定で発売されました。カラーリングは1963年にアメリカで展開された「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のイメージイラストをモチーフにした、マグナレッドとバージンベージュのツートン。ミラーやキャリアはブラックにされていました。

(スーパーカブ50・60周年アニバーサリー)

●特別色を施したスーパーカブ・ストリートを限定発売(2019年2月)
実用車のイメージを覆すカラーリング

街に溶け込む落ち着いたカラーリングを採用するスーパーカブ50/110ストリートがシリーズ限定2000台で発売されました。ラインナップは淡い色合いのポニーブルーとハーベストベージュの2色で、レッグシールドをボディ同色としたほか、サイドカバーやクランクケースカバー、リヤキャリア、スイングアームなどをブラックとしていました。

(スーパーカブ110ストリート[ポニーブルー])


(スーパーカブ50ストリート[ハーベストベージュ])

●クロスカブのカラーリングを変更してくまモンバージョンを追加(2019年3月)
人気のキャラクターがクロスカブにも登場

クロスカブ50と110にはそれぞれ専用カラーがありましたが、排気量別であることを廃止して50と110に共通カラーリングが新設定されました。また、新たに熊本工場で生産されることに由来した「くまモンバージョン」が追加されました。専用ロゴやイラストがボディ各所に配されています。

(クロスカブ50くまモンバージョン)

●スーパーカブC125に新色を追加(2019年5月)
走る場所を選ばないシックなグレー

普遍的なスタイルに最新装備を採用して上質感を追求したスーパーカブC125に、落ち着いた色合いの車体とツートーンタイプのシートを採用したパールカデットグレーが新採用されました。これでスーパーカブC125の車体色は全2色となりました。
(スーパーカブC125[パールカデットグレー])

(増田 満)

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この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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