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■目指せ、追い越せ「5M大川ソアラ」!!
1986年1月にリリースされた2代目ソアラ。その最強グレードである7M-GEUエンジン搭載車をベースに「スーパーソアラ・チューニング計画」がスタートしたネタ、その2です。今回はチューニングメニューをじっくりと紹介していきましょう。ボディ、足、はたまたエンジンはどんなスーパーバージョンへと進化していくのか!?
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■新ホットマシン『スーパーソアラ7MG』チューニング計画
【BODY WORK】ルックスは「外観ノーマル」路線だ!
ボディ形状についてはほとんど手を加えないことになるだろう。トラスト5MGツインターボの場合も、小さなフロントスポイラー&リヤスポイラーが装着されていたのみだ。ニューソアラの場合もノーマルボディをフルに生かし「外観ノーマル」路線を踏襲するはずだ。
しかしテストの結果、不可欠となれば必要最小限のエアロパーツが作られるかもしれない。それまでは純正エアロのみで進められることになる。
【SUSPENTION&TIRE】サス&タイヤは300km/hもOKのハイレベルアイテムを!
このニューソアラはエアサス仕様ではなく、TEMS(トヨタ電子制御サスペンション)だ。これはエンジンパワーのアップに合わせて強化していくことを考えたチョイスだ。エアサスのチューニングが難物だというのももちろんだが。スープラのサスを引き合いに出すまでもなく、スポーツ度追求ならショック+コイルがいい。チューニングもやりやすいというワケだ。
サスペンションに関しては、今まで市販されてきたトラスト・サスペンションキットと同様、数多くの試作コイルスプリングを作りこれに合わせた減衰力を持つショックアブソーバーを作る。そしてストリート、ワインディング、サーキット、谷田部などの走行テストを重ねて、サスペンションを決定していくことになる。
同時にハイパワーを適確に路面に伝えるタイヤもテストを重ねてチョイスされるだろう。
【ENGINE】エンジンはマフラーチューンからツインターボ化まで、ステップbyステップで攻める!
トラストのチューニング計画では、基本的にエンジン内部にあまり手を加えない予定だ。チューニングのファーストステップはノーマルエンジンのポテンシャルを知ること。まず、吸気温度をチェックしながらブースト圧を上昇させていく。
これに合わせて燃料増量コンピュータや補助インジェクターなどで燃料セッティングを行い、ノーマルユニットでのパワーアップと基礎データを得るわけだ。この時点で吸入空気の温度上昇が大きく、ノーマルインタークーラーで対応しきれない場合は、トラスト製の大容量インタークーラーに交換される。
ノーマルの実力をチェックした次にくるのが、純正ターボチューン。タービンをボルトオン的な三菱製TD07(25A・12~16cm2)を使用して、シングルターボでのチューニングを煮詰める。続いて高効率のステンレス製タコ足を作成し、シングルターボでの最終チェックへと向かう。この段階でカムシャフト等もチューニングされる。
そしてファイナルステージのツインターボチューニングの段階に入っていく。三菱製TD06(5MGツインターボと同様の予定)をツインで装着して、よりハイレベルなトラスト製インタークーラーも合わせて使用する。
この段階でパワーは400ps以上をマークすることになるだろう。この時点ではもう、たとえポルシェターボであってもノーマルでは太刀打ちできないスーパーソアラに成長しているはずだ。
最終モディファイは究極チューンへのトライとなっていく。しかし、ここでもエンジン内部にはあまり手を加えない予定だ。5MGツインターボの開発ノウハウからも、まずその必要はないだろうという判断だ。
【MISSION】ミッションはノーマルのATで!
ミッションについては可能な限り究極仕様までATでいくことになる。改造車的にレース用などの強化ミッションをドッキングするといった手法は避けたいのだ。今やATは時代の要求と言っていい。エアコン、パワステ、ATの組み合わせになるだろう。
普通に乗るスーパーマシンの誕生なのだ。これまでのチューンドカーの常識を大きく変える、そんなマシンになるはずだ。
【INTERIOR&ACCESSORIES】豪華&快適装備はそのままに!
室内は原則的にノーマル。エアコン、パワステ、オーディオ類もそのまま使用される。軽量化の名目で取り外されることはない。
対して加えられるものは、ブースト系などの各種メーター類と燃料コンピュータ、VVCなどだ。シート類に関してもコンペティション仕様ではないから純正そのまま。ただし、安全性向上のためシートベルトが4点以上のものになるかもしれない。
■広げるゾ、走りの輪ッ!
このスーパーソアラは限られたチューニングワールドにとどめておきたくない。ストリートや走りのスポットへのチャレンジ、ゼロヨン/ドラッグレース挑戦など幅広く、走りの輪を広げたいと願っている。みんなも期待して欲しい!
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最後の締めにもあるよう、この頃になるとカリッカリの究極チューニングカーではない、普段使いもできるチューニングカーへと目線が変わってきた時代でもありますね。AT、パワステ、エアコン付きの楽チンチューンド。clicccarでも今後のステップアップ記事を追っていきま~す!
[OPTION 1986年7月号より]
(Play Back The OPTION by 永光 やすの)