【スーパーカブHISTORY・2008年〜2012年】2回のモデルチェンジで激変! 車体を一新して中国生産に移行

■ホンダ・スーパーカブ60年の歴史を辿る【その5】

1958年の登場以来、様々なモデルが登場しながら進化を遂げてきたスーパーカブ。本企画ではその60年にわたる歴史を辿っていきます。
今回は、2回のモデルチェンジを果たしてスーパーカブが大きな変貌を遂げた2008年から2012年の期間をおさらいしてみましょう!

●スーパーカブ50・50周年スペシャル(2008年7月)
誕生からめでたく半世紀が経過

スーパーカブの発売から50周年を迎えたことを記念して、特別なカラーリングを採用するスーパーカブ50・50周年スペシャルとリトルカブ・50周年スペシャルが発売されました。スーパーカブ50にはグラファイトブラックのボディ色とロイヤルブラウンのシート表皮を、リトルカブにはパールコーラルリーフブルーのボディ色とリードレットのシート色を、それぞれ採用しています。

(スーパーカブ50・50周年スペシャル)


(リトルカブ・50周年スペシャル)

●フルモデルチェンジでスーパーカブ110新発売(2009年6月)
伝統のスタイルを継承しながら新デザインに

電子制御燃料噴射システムで排ガス規制をクリアした50とは別に、対策されなかった90をフルモデルチェンジする形で新設計されたスーパーカブ110が発売されました。新設計の109ccエンジンはPGM-FIを装備するJA07E型で8.2psと0.86kgmのパワーとトルクを発生。フレームも新設計され、伝統のスタイルを踏襲しながら新しいデザインに刷新されました。

(スーパーカブ110[コスタブルー])


(スーパーカブ110[アバグリーン])

●スーパーカブ110プロを新発売(2009年10月)
14インチ化して大型バスケット&キャリアを装備

大きなエンジンと大柄な車体に生まれ変わったスーパーカブ110に、新聞配達や宅配用モデルとしてスーパーカブ110プロが追加発売されました。これは従来のプレスカブ50と同じコンセプトによるもので、大きなフロントバスケットと大型リヤキャリアを装備しています。また前後タイヤを14インチに小径化しました。

(スーパーカブ110プロ)

●スーパーカブ110に新色を追加発売(2010年2月)
ストリートに似合うホワイトカラー

フルモデルチェンジから8ヶ月後、新たにコルチナホワイトのボディーカラーが追加されました。これで従来の2色に加え合計で3色のボディカラーが選べるようになりました。

(スーパーカブ110[コルチナホワイト])

●スーパーカブ110に新色を2色追加発売(2010年8月)
おしゃれに乗りこなしたくなる

2月にコルチナホワイトが追加されたばかりのスーパーカブ110ですが、矢継ぎ早に2色が追加されました。プコブルーRとバージンベージュRが追加された新色で、シート色はベージュとホワイトのツートーンカラーを採用していました。

(スーパーカブ110[プコブルーR])


(スーパーカブ110[バージンベージュR])

●スーパーカブ110をフルモデルチェンジ(2012年2月)
直線基調のデザインは賛否両論を巻き起こす

電子制御燃料噴射装備PGM-FIを装備して90からフルモデルチェンジした110が、新デザインになると同時に中国生産モデルに生まれ変わるフルモデルチェンジが実施されました。前モデルから踏襲したフレームはホイールベースを20mm延長して剛性を見直し、直線的でシャープなデザインのボディになりました。エンジンは低中回転域でのトルク特性を重視したセッティングになり、荷物積載時の走行性能を向上させています。中国生産としたことで従来より2万1000円価格を下げたことも特徴でした。

(スーパーカブ110[スマートブルーメタリック])


(スーパーカブ110[バージンベージュ])

●スーパーカブ50をフルモデルチェンジ(2012年5月)
110と同様の車体を採用

エンジンのPGM-FI化により生きながらえていたスーパーカブ50ですが、110と同じ車体になるフルモデルチェンジが実施されました。長いホイールベースとなったことで安定した走行性能を獲得し、エンジンも新設計されて3.7psと0.39kgmの出力となりました。2段クラッチと4速ミッションが新開発されたことで変速時のショックを低減して、スムーズな走行が可能になりました。

(スーパーカブ50[パールハーベストグリーン])


(スーパーカブ50[パールプロキオンブラック])


(スーパーカブ50[パールバリュアブルブルー])


(スーパーカブ50[スマートブルーメタリック])


(スーパーカブ50[バージンベージュ])

●スーパーカブ50プロと110プロを新発売(2012年7月)
プロユースのカブも中国生産に移行

直線的なスタイルの中国生産モデルとして生まれ変わったスーパーカブ50と110にプロが追加発売されました。14インチの小径タイヤとして取り回しの良さを追求し、サスペンション・スプリングの大径化とストローク量をアップして走行安定性を高めています。

(スーパーカブ50プロ)

※次回へ続きます。

(増田 満)

【スーパーカブHISTORY・1952年〜1964年】愛され続けて60年&1億台! その歴史の原点からおさらいしてみた
https://clicccar.com/2019/06/25/867127/

【スーパーカブHISTORY・1966年〜1981年】行灯カブ、ハンターカブ、赤カブなど多彩なモデルが登場
https://clicccar.com/2019/06/26/867377/

【スーパーカブHISTORY・1983年〜1996年】絶え間ない改良により燃費・パワー・耐久性に磨きをかけ続ける
https://clicccar.com/2019/06/27/867436/

【スーパーカブHISTORY・1997年〜2007年】リトルカブの登場からエンジンのFI化まで、変化に富んだ時代
https://clicccar.com/2019/06/28/868052/

この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
続きを見る
閉じる