【スーパーカブHISTORY・1997年〜2007年】リトルカブの登場からエンジンのFI化まで、変化に富んだ時代

■ホンダ・スーパーカブ60年の歴史を辿る【その4】

1958年の登場以来、モデルチェンジを重ねつつ、派生モデルの追加などによって数多くのバリエーションが世の中に存在がするスーパーカブ。本企画ではその60年にわたる歴史を辿っていきます。
今回は、初のフルモデルチェンジを果たした1966年からプレイバック!

【14インチ採用のリトルカブが登場】

●リトルカブ(1997年7月)
14インチホイール採用で足着き性をアップ

女性でも乗り降りしやすいように車高を低くしたリトルカブが新発売されました。スーパーカブ50をベースに、前後ホイールを17インチから14インチにすることで低いシート高(735cmから705cmへ)を実現してします。ハンドルは1978年前後のモデルと共通の通称「カモメ」タイプです。

(リトルカブ)

●リトルカブ50thアニバーサリースペシャル(1998年6月)
C100オマージュのカラーリングを採用

本田技研工業の創立50周年を記念して、スペシャルカラーを施した50thアニバーサリースペシャルが発売されました。初代スーパーカブC100イメージのマルエムブルーを採用し、レッグシールドやフロントフェンダーとサイドカバーには薄い水色とされました。3000台限定販売。

(リトルカブ50thアニバーサリースペシャル)

●リトルカブにセルスターター採用(1998年12月)
さらにユーザーフレンドリーに

足つき性や乗降性の良いリトルカブにセルフスターターを採用すると同時に、従来の3速ミッションから4速に変更したタイプが発売されました。キックスターターしかなかったリトルカブですが、今回の変更でより始動がラクになり、4速ミッションの採用で燃費を向上させていました。

(リトルカブ)

●スーパーカブを小変更(1998年12月)
フロントブレーキの制動性能を向上

生産累計が2700万台を突破したこの年、マフラーガードが全シリーズに新採用されるとともに、50スタンダードの車体色をコスミックブルーに変更。また、70と90の全タイプに110mmから130mmに拡大されたフロントブレーキドラムが採用されました。

(スーパーカブ70デラックス)

●スーパーカブ50をマイナーチェンジ(1999年9月)
エンジン改良によって排出ガス規制に対応

国内の排出ガス規制が新しくなったことを受けて、50のエンジンを改良して新規制に適合させました。50のみのキャブレターセッティングを変更して、ブローバイガス還元装置を新採用。これにより厳しくなった排ガス規制値をクリアしていました。同時に70がカタログから落ちました。

(スーパーカブ50スタンダード)

●50スタンダードに新色を追加(2001年3月)
おしゃれ度アップで若者にアピール

最も廉価なスーパーカブである50スタンダードは若者にも好評でした。そこで車体色へリトルカブに採用されていたプラズマイエローとブーンシルバーメタリックが加わり、レッグシールドやサイドカバー、フロントカバー、ステッカーのカラーリングを変更しています。リヤキャリアもリトルカブと同じものになりました。

(スーパーカブ50スタンダード)

●スーパーカブをマイナーチェンジ(2002年2月)
エンブレムやステッカーのデザインを変更

スーパーカブ50とプレスカブ50、スーパーカブ90の全シリーズがマイナーチェンジされました。レッグシールドのトップカバーエンブレムやボディに貼られたステッカーのデザインを一新しています。また盗難防止システムの別売アラームキットが装着できるプレワイヤリングを新装備しました。

(スーパーカブ50スタンダード)


(スーパーカブ50<ストリート仕様>)


(スーパーカブ90カスタム)

【電子制御燃料噴射システム時代の始まり】

●スーパーカブ50とプレスカブ50、リトルカブをマイナーチェンジ(2007年8月)
ついにカブもフューエルインジェクションを採用

厳しくなる排出ガス規制に適合させるため、キャブレターに代わり電子制御燃料噴射システムPGM-FIを採用して排ガス浄化装置をエキゾーストパイプ内に装備するマイナーチェンジが50に行われました。また、エンジンのクランクケースカバーをシルバーから黒に変更、マフラーガードの形状も変更されています。

(スーパーカブ50スタンダード)

※次回へ続きます。

(増田 満)

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この記事の著者

増田満 近影

増田満

複数の自動車雑誌編集部を転々とした末、ノスタルジックヒーロー編集部で落ち着き旧車の世界にどっぷり浸かる。青春時代を過ごした1980年代への郷愁から80年代車専門誌も立ち上げ、ノスヒロは編集長まで務めたものの会社に馴染めず独立。
国産旧型車や古いバイクなどの情報を、雑誌やインターネットを通じて発信している。仕事だけでなく趣味でも古い車とバイクに触れる毎日で、車庫に籠り部品を磨いたり組み直していることに至福を感じている。
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