日産のプレミアムブランドが電動化に向けて香港から横浜に移転を決定

■人事面での動きも目立つインフィニティが日産のおひざ元「横浜」に本社機能を移転

日産自動車のプレミアムブランドである「インフィニティ」は2012年に本社機能を香港に移し、グローバルブランドとしての飛躍を目指していました。あれから7年、ふたたびインフィニティの本社機能が日本に戻ってきます。

2019年5月29日に日産から発表されたニュースリリースによれば、2020年半ばにインフィニティのグローバル本社を横浜に移すということです。

その目的としては、インフィニティの電動(e-POWER)化を進めるために日本の研究セクションとの融合を考慮したことが理由として挙げられています。すでに発表しているようにインフィニティブランドとしてはディーゼル車を廃止、電動化によってプレミアムブランドとしての価値を高めていくわけですが、その流れを加速させるためには日本に本社を置くことがベストという判断です。

インフィニティのメインマーケットは北米と中国ですが、そうした大市場においても電動化を加速させることが生き残りには必須という決意が、この本社移転から伝わってくるのではないでしょうか。

また、インフィニティのグローバル本社では、2019年に入ってからトップ人事に動きがあったことも無視できないでしょう。2019年1月にはそれまで4年間インフィニティブランドを率いてきたローランド・クルーガー氏が退任して、クリスチャン・ムニエ氏がインフィニティモーターカンパニーの社長に就いていましたが、そのムニエ氏も2019年5月に退職するなどしていました。

北米市場においては2019年の第一四半期で前年同期比16%も販売台数が減っているというインフィニティ。はたして横浜にグローバル本社を移すことで、悪い流れを断ち切ることはできるのでしょうか。

(山本晋也)

この記事の著者

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山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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