【SUPER GT 2019】瀕死から復活したHOPPY 86 MC。それを支えたチーム間の友情秘話

5月3,4日に富士スピードウェイで開催の「2019 AUTOBACS SUPER GT Round 2 FUJI GT 500km RACE」。

予選2位で決勝に臨んだ25号車HOPPY 86 MC。ニュースペックタイヤをヨコハマと共同開発したなど25号車の話題が多い富士戦でした。

そんな話題の多い中、ひときわ話題になっていたフロントフェンダーの「Thanks! UPGARAGE」のステッカー。

開幕戦岡山の25号車にはこのステッカーは貼られていません。

元々25号車のスポンサーとなっているUP GARAGEなのですが、チームがわざわざ富士戦でもう一箇所にスッテカーを貼るには大きな秘密があったのです。

それは、25号車はこの富士500kmに参戦できるかどうかすらわからない状態だったのです。

開幕戦の岡山の悪夢の豪雨でクラッシュを喫してしまった25号車 HOPPY 86 MC。次戦の富士までに修復を試みますが間に合わないパーツが多数。

そんな状況を知って、UP GARAGEが昨年まで参戦していたUP GARAGE 86 MCを1台まるごと提供してくれたのです。ちなみにUP GARAGEは今シーズンはNSX GT3で参戦しているので86 MCは使用していません。とはいえ、同じGT300クラスのライバルなのですからいわば敵同士。無視しても誰も咎めることはないでしょう。

UP GARAGE 側は元々は同じマザーシャーシを使っていた仲間、ライバルであってもともに戦い抜いた盟友とも言える存在! と思ったのでしょう。このUP GARAGEが提供してくれたマシンを活用することにより富士戦までに修復が間に合い参戦できることとなったのです。

ライバルであってもチーム間には強固な友情が存在します。そのおかげもあって予選2番手というポジションを獲得したのは25号車からの最高の感謝の表現とも言えるのではないでしょうか。

(写真:松永和浩、吉見幸夫 文:松永和浩)

この記事の著者

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松永 和浩

1966年丙午生まれ。東京都出身。大学では教育学部なのに電機関連会社で電気工事の現場監督や電気自動車用充電インフラの開発などを担当する会社員から紆余曲折を経て、自動車メディアでライターやフォトグラファーとして活動することになって現在に至ります。
3年に2台のペースで中古車を買い替える中古車マニア。中古車をいかに安く手に入れ、手間をかけずに長く乗るかということばかり考えています。
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