トヨタがカナダでレクサスNXの生産を開始。新型RAV4、レクサスRXとともに北米市場でのSUV拡大を担う

トヨタ自動車は、世界で最も売れているSUVであるトヨタRAV4、北米で人気のあるレクサスRXに続き、レクサスNXの生産をカナダで始めると発表しました。

トヨタのカナダでの生産事業体「Toyota Motor Manufacturing Canada, Inc.(以下、TMMC)」が2022年初めからレクサスNX(ガソリン車およびハイブリッド仕様)の生産を新たに開始するというもの。

トヨタは、北米事業の競争力強化に向けて、カナダも含めた現地生産の拡充を推進してきました。今回は、世界的ブームになっているSUVニーズの高まりも踏まえ、RAV4やレクサスRXに加えて、北米向けNXの現地生産を「TMMC」のケンブリッジ工場で行うと決定。

この決定を受けて、「TMMC」はケンブリッジ工場で、カナダのジャスティン・トルドー首相をはじめとする政府関係者を来賓に迎え、関係役員や工場の従業員出席のもと、NX新規生産の式典を実施しています。

「TMMC」のプレジデントを務めるフレッド・ヴォルフ氏は、「昨年アナウンスした新型RAV4生産や工場刷新への投資に続き、TMMCがレクサスNXの生産工場に選ばれたことをうれしく思います。RXとNXというレクサスモデル2車種を生産することは、TMMC従業員への信頼の高さを示しています」とコメント。

また、決定に際して、北米の統括事業体「Toyota Motor North America」のジム・レンツCEOは、「カナダはこれまで工場品質の高さから様々な賞を受賞しており、トヨタのグローバル生産戦略において重要な役割を担い続けます。コンパクトラグジュアリーSUV市場が成長を続けるなかで、北米でレクサスNXを生産することでニーズにより応えます」と述べています。

カナダでの生産を開始した1985年以降(アルミホイール生産を行う「Canadian Autoparts Toyota Inc.」が1985年に、「TMMC」は1988年に生産開始)、カナダへの累計投資額は85億カナダドル(約63億米ドル)以上、「TMMC」での累計生産台数は800万台以上に上るそうです。

「TMMC」では、2003年には初のレクサス海外生産拠点として、レクサスRXの生産が開始され、2014年からはRXのハイブリッドモデルの生産も行われています。今年春に開始された新型RAV4の生産に向けて、「TNGA」の新しいプラットフォームへの対応も含めて、連邦・州政府からの支援分とあわせて14億カナダドル(約10億米ドル)を投じ、工場刷新が図られています。レクサスNXの北米での生産開始により、ドル箱である北米市場でさらなる上乗せが期待されます。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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