■アダプティブ クルーズ コントロール、衝突予知警報、死角検知の機能で構成
●システム搭載バイクは2020年にドゥカティとKTMから登場予定
日本では、二輪車のユーザーは自動車のドライバーと比較すると死亡事故のリスクが13倍も高いそうです。
ボッシュは二輪車のユーザーにより安全で快適な運転環境を提供するために、2019年3月より日本国内で「アドバンスト ライダー アシスタンス システム」の公道実証試験を開始しました。
アドバンスト ライダー アシスタンス システムとは、ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)、衝突予知警報、死角検知からなる、二輪車の安全性と走行快適性を向上させる一連の安全運転支援システムのことです。
このシステムは、レーダーを使った自動車のADAS(先進運転支援システム)の関連技術をベースに開発されました。ボッシュの事故調査報告によると、この安全運転支援システムを装備していれば、二輪車事故の7件に1件を防ぐことができたとしています。
今回の公道試験は、東京都、神奈川県、栃木県の高速道路で行われます。
日本の道路は道幅が狭く、レーダーの検知に影響を及ぼす可能性がある遮音壁やガードレールなどの外乱も少なくありません。また、トンネルや曲がりくねった道の多さも日本特有です。
こうした環境に対応したシステムを開発することで、日本の二輪車ユーザーにより安全で快適な運転環境を提供するだけでなく、グローバルな車両メーカーの日本市場への対応をサポートできるようになります。また、全世界における市場シェアが約5割にものぼる日本の車両メーカーのニーズに的確に応えられる体制を整えることにもつながるとボッシュは述べています。
このアドバンスト ライダー アシスタンス システムは2020年から量産され、 最初にドゥカティとKTMのモデルに搭載されることが決まっています。
【アドバンスト ライダー アシスタンス システムの主な機能】
<ACC(アダプティブ クルーズ コントロール)>
交通の流れに合わせて車速を調整し、前走車との安全な距離を維持できるため、前走車との距離が不十分だったために発生する追突を効果的に防ぐことができます。また、渋滞の中でも走行により集中できるようになります。
<衝突予知警報>
他の車両が危険なほど接近し、ライダーがその状況に何も対処しないことを検知すると、聴覚的、または視覚的な信号を通じてライダーに警告します。
<死角検知>
車両の周囲をモニターし、ライダーが安全に車線を変更できるように支援します。レーダーセンサーによってライダーから見えづらい位置にある対象物を確認し、ライダーの死角に車両が来た際には、ミラーに視覚信号などを表示し警告します。
(クリッカー編集部)