レクサス初のミニバン「LM」はラグジュアリー・ミニバンではなく「ラグジュアリー・●●●●」!?【上海国際モーターショー2019】

●LMの意味は「ラグジュアリー・ミニバン」ではなかった!

話題沸騰中のミニバン「レクサス・LM」。上海モーターショーで公開されたこのクルマは、車体のベースがトヨタ「アルファード/ヴェルファイア」で、パワートレインはハイブリッドの「LM300h」と3.5LのV6ガソリンエンジンを搭載した「LM350」を用意。インテリアは2列シート4人乗りと、3列シート7人乗りが設定されるのだそうです。

販売地域は中国をはじめ香港などの中華圏、そしてタイやインドネシアといった東南アジアを予定。2020年前半からデリバリーが始まるそうです。

気になるのは「はたして日本で発売されるのか?」ということですよね。レクサスの広報担当にもチーフエンジニアにも質問しましたが、彼らは「現時点では日本導入の予定はない」と言い切りました。これはメカニズム的な問題ではなく、レクサスのブランドイメージとの整合性という話でしょう。

「日本でミニバンを出して『レクサス』というブランドイメージが崩れないか」を心配しているということですね。中国や東南アジアは欧米や日本に比べてクルマの普及が遅かったので、そのぶんセダンへの強いこだわりがないともいえます。だからVIPの移動車両として豪華なミニバンが市民権を得ている事情も大きく影響しているでしょう。

しかしながら、レクサスはかつて「日本ではSUVを展開しない」と言っていたものの、市場環境の変化に応じてSUVを投入し、今では販売比率で半分がSUVとなったほど。そんな軌道修正を考えると、日本での販売も絶対にありえないというわけではなさそう。世の中の声次第といったところでしょうね。

そして、どうしても日本で乗りたいというのであれば、右ハンドル仕様が輸出されるタイ仕様やインドネシア仕様を逆輸入する手もありますね。ただし、現地に入れる際の税金の関係でとんでもなく高額(2列シート車なら3000万円級以上!?)になるのは間違いないですけれど。

ところで「LM」の意味ですが……「ラグジュアリー・ミニバン」ではなく「ラグジュアリー・ムーバー」とのこと。もしかしたら「レクサスではミニバンは出しませんよ、“ムーバー”なら出しますが」となるかもしれません。

(工藤貴宏)

この記事の著者

工藤貴宏 近影

工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに執筆している。現在の愛車はルノー・ルーテシアR.S.トロフィーとディーゼルエンジンのマツダCX-5。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。
続きを見る
閉じる