■10インチ化とロケットカウル装着でカフェレーサースタイルへ変貌を遂げたモンキー125
ミニバイクカスタム界の雄といえば「キタコ」。1970年代から主に50〜125ccバイク用のパーツを開発・販売している老舗メーカーで、モンキーのカスタマイズの歴史はキタコとともにあった、と言っても間違いではないでしょう。
昨年7月に発売になったモンキー125も、キタコでは早速カスタマイズに着手。マフラーやシートなど様々なパーツがすでに販売中ですが、それだけでは飽き足らず、東京モーターサイクルショーでは来場者をアッと言わせる1台を出展していました。それがカフェレーサー風のモンキー125です。
FRPでワンオフされたロケットカウルや、和風テイストのペイントが目を引きますが、それ以上に注目したいのはひと際凝縮感があるスタイリング。その秘密は、タイヤにありました。モンキー125の純正タイヤのサイズは12インチなのですが、キタコのマシンはなんと10インチに履き替えていたのです!
真横から見てみると、ノーマルよりも可愛らしいフォルムで、それでいてタイヤの存在が小さすぎず、意外にも車体とタイヤのバランスが良いのに驚かされます。オリジナルのモンキー(50cc)の時代は、ノーマルの8インチから10インチもしくは12インチに大径化するのが常套手段でしたが、モンキー125の場合は12→10インチへのインチダウンが流行しそうな予感がしますね。
アルミ削り出しの10インチホイール&ハブは、Gクラフトの手によるもの。タイヤはハイグリップタイプのマキシスMA-R1で、サイズはフロントが3.50-10、リヤが100/90-10です。
10インチ化に伴い、フロントフォークはローダウンアダプター(マイナス50mm)を装着。リヤショックはナイトロンのTWIN R3に交換されています。
エンジンも本気!です。181ccNEOボアアップキットを核に、ビッグスロットルキット、オイルクーラーキットなどで武装済み。
カフェレーサーっぽいライディングポジションを実現するバックステップキットはアルミ削り出し製で、質感も上々。
「カチ上げ」タイプのチタンテーパーマフラーも、このカフェスタイルを実現するためにはセットで装着したいアイテム。参考出品ですが、発売を期待したいところです。
ハンドル周りも見どころいっぱいです。デイトナのハンドルクランプを利用して、セパレートハンドル化。さらにブレンボのRCSブレーキマスターシリンダーやコーケンのメカニカルクラッチホルダーをセットしています。
遊び心も忘れていません。ハンドルの両端に付いているバーエンドは、手で回すとクルクルと勢いよく回転するスピナータイプになっています。エンジン左側のサイドカバーも同様のスピナータイプです(赤いパーツがそれ)。
過激なカスタムなのに、バランスよくまとめているあたりはさすが老舗のキタコといったところでしょうか。これからも楽しいマシンメイクでモンキーファンを楽しませてくれるはずです!
(長野達郎)