【新型デリカD:5試乗】静かでトルクアップを果たした2.2Lディーゼルエンジンの実力は?

新型デリカD:5に搭載される2.2Lのコモンレール式DI-Dクリーンディーゼルターボは、フリクション低減、燃焼室の変更、次世代燃料インジェクターなどにより主要機構部品の約半分を改良するという大がかりなもので、従来型よりも確かに洗練度の向上は十分に感じられます。

一方で、少々辛口かもしれませんが、現代のディーゼルエンジンとしては特段静か、という印象もありません。それでも明らかに洗練されているのは、改良前のディーゼルエンジンが大きめの音・振動だったことで、その進化幅が大きく感じられるということもあるかもしれません。

さて、尿素SCRシステムを搭載した排ガス浄化システムを搭載したデリカD:5。エンジンスペックは最高出力145ps(107kW)/3500rpm、最大トルク380Nm/2000rpmで、改良前の148ps(109kW)/3500rpm、360Nm/1500-2750rpmから3ps下げているものの、最大トルクは20Nm分厚くなったことで、出だしのトルク感がさらに増しています。

さらに、8ATスポーツモードATの採用により、高速道路の合流時などよりリニアなエンジン応答性、回転数の上昇もスムーズになり、上質なシフトフィールに加えて、リニアな加速感が得られるようになったのも朗報。

また、1速を約8%ローギヤード化し、トップギアも約18%のハイギヤード化することで、トータルで約27%のワイドでクロスレシオ化を採用。これにより、悪路走破性向上、高速燃費と静粛性の向上が図られています。なお、メーター読みで100km/h走行時のエンジン回転数は1500rpm、平均燃費計は12.6km/Lを指していました。

こうした改良により、低速からツキが良く、高速道路でも右足の微妙なアクセルワールで速度の調整がしやすいなど、8ATの採用もあってより洗練された走り、動力性能を得ているのは、新規ユーザーだけでなく、買い替え層にも歓迎されるのではないでしょうか。

(文/写真 塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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