オーストラリアのホンダ3位で話題のF1ながら排気量は? 最高出力は?

今シーズンは開幕戦のオーストラリアでホンダのパワーユニットを搭載したレッドブルが見事に3位表彰台に立つなど盛り上がりを見せている。

私は第二戦のバーレーンに来ているけれど、多くのメディアがフリー走行からホンダの最新情報を伝えているほど。さて。ここから質問です。クルマ好きの皆さんはF1を語ると思うけれど果たして排気量を御存知だろうか?

1600ccのV6でしょう! と即答できた人はなかなかの情報通です。じゃ「何馬力出てますか?」と聞かれたらどうか。これが難しい。というのもハイブリッドだからだ。一般的に「F1 出力」で検索すると1000馬力程度の数字になることだろう。間違っていない。最もパワフルだと言われるメルセデスやフェラーリで1000馬力に限りなく近いと言われている。

我がホンダはどうかと言えば、バーレーンの時点でメルセデスのハミルトン曰く「ホンダとのパワー差は10馬力」。実際はもう少し差があると思うけれど、昨年1シーズンで上位陣とのパワー差を大きく縮めたことについちゃ間違いない。そもそもラップタイム差が徐々に近くなっている。もう1つのパワーユニットであるルノーはホンダに少し届かない?

そうそう。ハイブリッドでした。当然ながらモーターを組み合わせあり、こちらは161馬力と決まっている。エンジンが800馬力+αでモーター161馬力のトータル1000馬力弱ということ。モーターで使う電力は、ブレーキ回生や排熱などから確保している。エネルギーマネージメントを「デブロイ」と呼び、こいつのセットアップが各チームのノウハウです。

ミッションは8速まで。見ていると皆さん8速。燃費も決められているけれど、どうやら今シーズンは大きな問題になっていない感じ。むしろエンジン出力を向上させ、効率良く回生制動し、そいつを上手に使うというのがテーマになっている。ホンダの場合、レースカーのデータを栃木県さくらや現場の解析装置などに飛ばし、細かくセットアップしているという。

パワーユニット(モーターも付くためエンジンと言わない)の供給は全て自動車メーカー。メルセデスとフェラーリ、ルノー、ホンダの4つ。強いチームは昨年までメルセデス。続いてフェラーリ、その下がルノーのパワーユニットを使うレッドブルだったけれど、今年になってホンダを使うレッドブルの戦闘力は大幅に向上している、と言われ始めた。

タイヤはピレリのワンメイク。聞いてみると皆さん口を揃えて「レベル的な問題はあるが、全員同じタイヤなので公平です」という。タイヤの減り具合など見ると、なるほど赤いラインのソフトなどキレイと言いがたい。ソフトとミディアム、ハードの出来不出来の差も大きいそうな。タイヤマネージの減り具合を見るため、皆さんフリー走行で30周くらい走る。

タイヤは2種類レース本番で使わなければならず、最低でも1回のピットストップが必要(途中給油はしない)。速いドライバーは評価の分かれる点ながら、個人的にはハミルトン(メルセデス)。ルクレール(フェラーリ)。フェルスタッペン(レッドブル)あたりかと。以上、このくらい覚えておけば、誰かにF1の話を聞かれても困ることは無いと思う。

(国沢 光宏)