トヨタ自動車が2029年に月面に送り込む探査用FCVローバのスペックは?

トヨタ自動車が先頃、JAXA(宇宙航空研究開発機構)との協業による国際宇宙探査ミッションを発表しました。

人類の持続的な繁栄を目指し、「人類の活動領域の拡大」と「知的資産の創出」を目的として、大気圏を超え、月・火星を目指すそうです。

地球の6分の1の重力を持つ天体である「月」には、クレーター、崖、丘が存在しており、2030年代に想定している本格的な有人月面探査においては過酷な放射線環境や温度環境、極高真空環境に晒されるだけに、両者は昨年5月から共同で技術力を 結集して「有人与圧ローバ」開発に取組んでいるそうです。

同ミッションで使用する「有人与圧ローバ」は、FCV(燃料電池車)技術の応用により、月面で1万km以上の走行を可能にするといいます。

FCVは水だけを排出するクリーンな発電方式を採用しており、エネルギー密度の高さから多くのエネルギーを搭載可能で今回のミッションに適しているようです。

尚、両者が開発を進めている「有人与圧ローバ」は車体サイズがマイクロバス約2台分(全長6.0m×全幅5.2m×全高3.8m)で、車内空間は4畳半ワンルーム程度。

2名が滞在可能(緊急時は4名滞在可能)で、遠隔操作や自律走行により月面上を持続的に移動可能となっており、10年後(2029年)の打上げを目指しているそうです。

Avanti Yasunori・画像:TOYOTA)

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この記事の著者

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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