【同じプラットフォームでも異なる味付け。見た目も走りのキャラクターも別物】
ジャガー・E-PACEの試乗からスタートしたジャガー・ランドローバー雪上試乗会、次の試乗したのは同じプラットフォームを使うランドローバーのディスカバリースポーツ。こちらもエンジン横置きのFFをベースとした4WD。
試乗車の「HSE LUXURY 2.0L D180」は、2.0Lの直列4気筒ディーゼルターボを搭載し、180ps/430Nmという分厚いトルクが自慢です。なお、トランスミッションは横置きエンジンを想定して設計された9ATが搭載されています。
駆動方式は4WDですが、ドライなどの通常走行ではアクティブドライブラインを使ってリヤへの駆動を遮断し、スリップを検知すると0.3秒以内にリヤに駆動力を配分する「オンデマンド式4WD(アクティブオンデマンドカップリング式)」となっています。
雪上では、インパネスイッチのテレインレスポンスをSNOWに入れておけば、後は普通に走る分には万全の安定感で、除雪されたドライ路面からウエット、雪上と、状況が異なる路面が次々に現れてもリヤへの駆動力配分を走りから伺い知ることはできません。
ジャガーE-PACE同様に、試乗車が装着していたのは「ContiVikingContact6 (コンチ・バイキング・コンタクト・シックス)」で、タイヤサイズは235/55R19。同じプラットフォーム、同じタイヤサイズとは思えないほど、E-PACEと比べると乗り心地に尖ったフィーリングはなく、操舵感覚もよりナチュラルで運転のしやすさが印象的です。
ジャガーとランドローバーの作り分けは、見た目だけでなく、走りでもしっかりとキャラクター付けがされているのを雪上やウェット、ドライ路面からも伝わってきます。
先述した9ATの非常にスムーズな変速もあり、430Nmという分厚いトルクをいたずらに感じさせないマナーのいい発進性も魅力。もちろん各種電子制御デバイスによる効果もあるでしょうが、雪上やオフロードでの走らせ方をよく分かっているブランドだと実感できます。
ドライ路面の山道などではその気になれば、十分な速さも堪能できます。3列目シートはあくまで非常用の域を出ないものの、ファミリーユースにも十分に応えてくれる使い勝手の良さも美点。E-PACEよりも万人向けするSUVといえそうです。
(文/塚田勝弘 写真/小林和久)
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