【ルーテシアR.S. トロフィー アクラポヴィッチ試乗】専用マフラーの重低音は専業メーカー製ならでは

●ルーテシアR.S.トロフィーのスポーツ性をさらに高める専用マフラー

ルノー・ルーテシアR.S.トロフィーに設定された特別仕様車アクラポヴィッチ(344万円〜359万6600円)をチェックしました。

「アクラポヴィッチ」とは、モトGPのパーツにも製品を供給するバイク系が発祥(現在は4輪も広く供給)のマフラーメーカーです。今回ルノースポールと共同開発したマフラーは、チタンとステンレスを複合して使用するもの。

標準のマフラーに対して3kgの軽量化を達成し、カタログ上の最高出力は変わらないもののマックス領域でおよそ2psのパワーアップを果たしているのです。ベースとなったルーテシアR.S.は専用にチューニングされた1.6L直噴ターボを搭載する5ドアハッチバック。

補強されたボディや、専用パーツを投入したサスペンション周り、その高次元なセッティングによってスポーツ好きに熱狂的に支持されているモデルです。全長は4105mm、全幅は1750mm。全高は1435mmとなっています。

ルーテシアR.S.にはチューニング度合いによって複数のバリエーションがあります。今回紹介する特別仕様車はその最もハードなバージョンであるトロフィーをベースにしています。

トロフィーは、中級スポーツグレードスポーツグレードである「シャシー カップ」よりもフロントを20mm、リアを10mmローダウンしたサスペンションなどが特徴です。

またステアリングのギヤ比についてもクイックなものになっています。

シートはファブリック製のスポーツタイプでレッドステッチとR.S.のロゴが入ります。

搭載されるエンジンは1.6Lの直列4気筒ターボ。F1参戦からのノウハウが詰まった先端技術、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)加工タペットが採用されるなどして徹底的にチューンされています。
最高出力は220ps/6050rpm、最大トルクは26.5kgm/2000rpmを発生します。

トランスミッションは6速デュアルクラッチ。

さて試乗してみます。アクラポヴィッチのマフラーからは、いかにも純正品「以外」の威勢のいい重低音を響かせてくれます。車両重量1290kgに対して、26.5kgのトルクは十分以上のもの。

低速からもりもりとトルクを出して、車体を前方へと蹴り出してくれます。またルーテシアR.S.はこの最上級のチューニングが施されたトロフィーであっても、乗り心地にはしなやかさがあることも特筆すべき点です。

これはグリップを高めつつも快適な乗り心地をキープするため、フロントサスペンションに採用されたHCC(ハイドロリック コンプレッション コントロール)が大きく効いていそうです。

HCCはダンパー・ケースの中にセカンダリ・ダンパーを組み込んで、ショック単体にバンプストップラバーの機能を持たせたもの。これによってタイム狙いをする激しい走りと、市街地での不快でない乗り心地が両立できるのでした。

このしなやかな乗り心地に加え、5ドアハッチバックボディであることも相まって、普段使いができるレーシー・マシンとして広くおすすめできる1台です。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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