【ラングラー アンリミテッド雪上試乗】「本物」をありありと感じられるフィールでも、ハードな凹凸も完全「おまかせ」でOK

●伝統のラダーフレームにジッドアクスルという構造も良好な乗り心地と乗り心地

2018年末、11年ぶりのフルモデルチェンジをして導入されたジープ・ラングラーシリーズ。そのロングホイールベース版4ドアモデルであるラングラー アンリミテッドに雪上で試乗しましたので報告します。

今回で4代目となるラングラー、コードネームJLはまったく新しいシャシーを構築しましたが、ラダーフレームと前後リジッドアクスルという基本構造は変更しませんでした。ボディサイズは4870×1895×1845mmとなります。

ホイールベースが3010mmと拡大されましたが、その分は後席空間のスペース向上に充てられ、とりわけ後席で広々感を実感することができます。シートの背もたれ角度も先代に比べずいぶん後傾しました。

今回試乗したラングラー アンリミテッド スポーツ(432万6000円)には、同車として初めて直噴4気筒2Lターボエンジンが搭載されています。ツインスクロール式のタービンを採用することで低速から高速までよどみなくトルクを付け加える特性。最高出力は272ps/5250rpm、最大トルクは40.8kg・m/3000rpmです。

基本となる駆動方式はFRと4WDを切り替えて走るパートタイム方式の4輪駆動ですが、今回からセレクトラックフルタイム4×4と呼ばれるフルタイム4輪駆動モードも追加されています。

実際に雪上走行を行ってみました。第一印象で驚くのは非常にソフトな乗り心地です。

ラダーフレームにリジッドサスという構造からごつい乗り心地を想定していましたが、本気のクロスカントリー車であるラングラーでは長いサスペンションストロークとソフトなスプリングが採用されており、これが良好な乗り心地に繋がっているのです。

少し速度を上げてコーナリングを試すとはっきりとしたアンダー傾向があります。ただし、そんな時にはアクセルを緩めてやればいいわけで、逆に言うと電子制御で無理に曲げている感覚がなく好ましい印象です。

今回の特設コースでは急な上り坂や下り坂もありましたが、いずれも特別な操作をすることなく難なく走りきってくれました(下り坂ではヒルディセントコントロールの力が大きく働いています)。

雪上を存分に走ることでわかったのは4輪の強いトラクションです。人間が雪道を歩くときには足を大きく上げて体重をかけて踏み降ろし、滑らないようにして進みますよね? その感覚がラングラーの雪上走行では感じられるのです。とりわけ前輪がしっかり掻いてゴリゴリと進んでいくフィールは「本物」をありありと感じられるものでした。

(写真・動画・文/ウナ丼)

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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