【マツダCX-5試乗】期待の2.5Lガソリンターボは、高速道路でのロングツーリングを得意とする新たな選択肢を提供

テストコースでも感じたように、低速域から力強いトルク感は健在で、420Nmという最大トルクは伊達ではありません。高速道路の流れをリードする程度であれば、高速域のパンチ力も十分に感じられます。

さらに速度を上げてもまるでNAエンジンのように、粛々と速度を乗せていく印象。5000rpm回転付近からはパワーの頭打ち感が顕著ではありますが、実用上、そこまで回すシーンはマレでしょう。

それでも、もう少し加速が欲しい、例えば高速道路での追い越し時などで余裕を見せてくれるターボエンジンの利点は明らか。今回は2.5LのNAエンジンと乗り比べはできませんでしたが、クローズドコースでの試乗経験からもターボエンジンの優位性は、容易に察することができます。

マツダが重視するドライバビリティを十分に担保しながらも、いまでは当たり前に求められる燃費性能に対しても目配りがされています。負荷に応じて排気の経路を切り替えて排気の脈動エネルギーを最大限活用するダイナミック・プレッシャー・ターボシステム、燃焼温度を下げるクールドEGRを搭載し、排ガス(一部)を再び吸気マニフォールドに導くことで、燃焼温度を下げるなど、大半の運転領域において高効率化が図られているエンジンでもあります。

この辺りが、乗ってみると思ったほど「やんちゃ」でない(もちろん十分な速さは享受できます)というフィーリングを抱かせるのかもしれません。

走りの面でエンジンとともに注目の「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)は、曲がりくねった首都高速のような状況において、非常に有効に感じます。

コーナリング時の揺り戻しが小さく、ドライバーは次の動作に入りやすいため、S字コーナーなどでも高い安心感が得られます。結果的にドライバーはもちろん、揺れが抑制される同乗者も身体の動きが抑えられることで、ロングドライブでの疲れが抑制されるなど、高速道路を使った長距離移動も楽にこなせます。

長距離移動では経済性の高さと、トルクフルな走りによりディーゼルエンジンにも依然として高い魅力があるのは間違いありません。ガソリンターボの追加により、ディーゼルエンジン仕様よりも音振動面で有利で、よりナチュラルな加速フィールをもたらす2.5Lガソリンターボの追加は、より多くのユーザーをさらに引きつける起爆剤になりそうです。

(文/写真 塚田勝弘)

【関連記事】

【新型マツダ・CX-5試乗】待望の2.5Lガソリンターボは鋭い加速が魅力。2.2Lディーゼルにはクラス唯一の6MTを新設定
https://clicccar.com/2018/10/11/638710/

この記事の著者

塚田勝弘 近影

塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
続きを見る
閉じる