●悔し涙を流した2017年のレースクイーン大賞から1年。見事にグランプリを獲得した林紗久羅さん
2019年の日本レースクイーン大賞グランプリに輝いた林紗久羅さん。今でこそ絶大な人気を誇りますが、そこまでの道のりは決して平坦なものではありませんでした。その挫折から栄冠獲得への道のりを追ってみたいと思います。
それは、今から約1年前の2018年の東京オートサロン二日目。林紗久羅さんは「日本レースクイーン大賞2017」のステージに立ち、悔し涙を流しました。前年に初めてレースクイーン大賞を受賞し、グランプリを目指した彼女にとって、「審査員特別賞止まり」という結果だったのです。
林さんは壇上でしっかりとトロフィーを握りしめながら「みなさんこんにちわ。2017レイブリックレースクイーンのさくちゃんこと林紗久羅です。」と気丈に挨拶をするも、すぐに悔し涙を流しながら、ややうわづった声で、「今回、受賞を逃してしましました。私の努力不足です。ごめんなさい。すみません。ですが、この特別賞を、ターニングポイントとして、初心に帰って、もう一度レースクイーン大賞受賞、そしてグランプリを目指したいと今ここで決意したいと思います」と語ると場内からは温かい拍手が沸き起こりました。
そして林さんは「みなさんの日々の応援と愛情は私に届いておりました。ありがとうございます。ですが、私が残りの5人の枠にそれを届けることができなかった。本当にそれだけなんです。なので、応援してくれた人は自分を責めちゃうと思うんですけれど、自分を責めないで、またもう1年、私を応援してください。ありがとうございました」とファンへの気遣いと応援を求めるや、ふたたび割れんばかりの拍手が巻きおこりました。
それからというもの、林さんはRAYBIRGレースクイーンを卒業すると、古巣であるD’Station Flesh Angelsへ復帰。スーパーGT、スーパー耐久の両カテゴリにおいて、レースクイーン活動のほか、ステージイベントに出演しました。
さらに、スーパーフォーミュラではKondo Racingの人気レースクイーンユニットraffine ladyとしても参加。ほぼ毎週末、全国各地で行われるサーキットに顔を出す多忙ぶりとなりました。なおこのシーズンはKondo Racingにとって初めてのチャンピオン獲得。勝利の女神としてチームに貢献しました。
さらに、10月に行われたFIA世界耐久選手権では、日本を代表するグリッドガールとして参加。名実ともにトップレースクイーンとして認められたといえます。林さんは常にファンに対して常に親身の対応をし続け、私服姿の時であっても、彼女は求められれば応え続けてきました。
そうして迎えた日本レースクイーン大賞2019の授賞式。林さんは見事レースクイーン大賞受賞に返り咲いたのです。しかし、林さんは「まだスタートラインに立っただけです」と気を引き締めます。彼女が見る先はグランプリ。
そうして迎えたグランプリの発表の瞬間。名前が呼ばれた瞬間、林さんは泣き崩れ、長い脚を折りたたむようにしゃがみこみ、かけつけた両親によって起こされました。目にはたっぷりの涙。それは悔し涙から一転し、喜びの涙でした。
壇上、林さんは一言一言しっかりした言葉で「今、この手元にあるトロフィーはみんなで勝ち取ったものです。レースクイーン大賞に挑んで今年で4年目となりました。一番最初は2015、D’Station Fresh Angelsで、ファイナリストで幕を閉じ、そして2016は、RAIBRIGレースクイーンでレースクイーン大賞を受賞させて頂き、2017、去年は特別賞という形で、あの、私の、挫折が、私を本気にさせてくれました。応援してくださる方が増え、D’Stationというチームに恵まれ、歌って踊るアイドルユニット、Fresh Angelsを兼任させて頂き、本当にサーキットで駆け抜けた一年だったと思います。」と語ると会場からはおめでとうの声が。
そして「2015年のメンバー、あいりーん、れいちぇる、まちちゃん。あのメンバーに陰ながら支えて頂いたりとか、ファンのみんなにも応援してくれたりとか、本当に自分1人ではここに来ることは絶対にできませんでした。そして、このグランプリを機に、より一層気を引き締め、これからも絶対にレースクイーンの女王として、モータースポーツ業界、レースクイーン業界をもっともっと盛り上げていきたいと思います。みなさんぜひこれからも、林紗久羅に、そして頑張っているレースクイーンすべての子たちへの応援をどうぞ宜しくお願いいたします。本当に林紗久羅にグランプリというトロフィーを与えてくださったみんな、ありがとうございました」と、ファンや支えた仲間に対して謝辞を述べるとともに、新女王としての決意を語りました。
そこには、1年という長い時間にわたり苦労した彼女が魅せた本当の笑顔があったのです。
(sin+ぼっちまろん)