【プロボックスハイブリッド試乗】ハイブリッド化の流れは商用車にも。その流れが受け入れらるかの「カギ」となる一台

さて乗り味です。ハイブリッドモデルですのでスタートはモーターのみでのスタートとなります。エンジンが始動しハイブリッド走行となるのは意外と早めな印象です。

通常ハイブリッド車の試乗では、センターコンソールのモニターにエネルギーモニターを表示しながらとなるのですが、試乗車にはそれはありません。モーター内に小さめのインジケーターがありますがあまり目立ちません。ただし、エンジンが止まっているときは緑色の「EV」の表示があるのでわかりやすいです。

まあ、エンジンが始動するとかなりわかりやすい感じでエンジンの音が聞こえますので、それも頼りになります。

プロボックスハイブリッドの最大積載量は2名乗車時で350kgです。こうした商用モデルの場合は、最大積載量+αの積載をした際の安全性を確保するため、リヤサスペンションは硬めとなるのが通常です。こうしたクルマをそのままで乗ると、どうしてもリヤが落ち着かない走りになってしまうものです。ということで試乗車にはウエイトが搭載されていました。その効果もあり乗り心地は落ち着いたものとなっていました。

ゆったりとした感じこそありませんが、ステアリング操作に対するクルマの反応は素直なものです。

エンジンの出力は74馬力で、それを61馬力のモーターがアシストします。モーターによる発進は力強く、不足感はありません。試乗時は4名に上記のウエイトがプラスされています。負荷としてはかなり大きいですが、不満感は感じませんでした。

ハイブリッドをはじめて20年のトヨタですから、エンジン始動時のトルクのつながり感もスムーズです。坂道での加速も普通に走る分にはまったく問題を感じないレベルを確保していました。

プロボックスのもっともベーシックなモデルの価格は189万9800円。もっとも上級のもので196万5600円。各グレードとも同じグレードの1.5リットルモデルと比べると27万円高という設定です。

商用車の場合5年程度で乗り換えとなることが多く、この価格差だと年間で5万4000円燃料代が節約できれば元が取れることになります。また、回生ブレーキで大幅に速度が落ちるハイブリッドはブレーキパッドの消耗も少なく、走行距離が長いほどハイブリッドの優位性があると言えます。

これからは商用モデルのハイブリッドは増えていく傾向にあり、その先がけとも言える今回の追加は重要なマイルストーンと言えます。今後、商用ハイブリッドが受け入れられるか否か? がかかった大事な1台となるのは確実です。

(文/諸星陽一・写真/澤田優樹)

この記事の著者

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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